子育て中の共働き世帯にとって、強い味方のロボット掃除機に、この秋、話題の新製品が2つ登場しました。1つはロボット掃除機の定番とも言えるルンバの最上位モデル「ルンバ980」。そしてもう1つが、サイクロン掃除機で有名なダイソンが手がけた初めてのロボット掃除機「ダイソン 360 Eye」です。最新型の「ルンバ980」はこれまでのルンバからどこが進化したのか、そして発表から1年、満を持して登場した「ダイソン 360 Eye」は何が新しいのか。娘さんのお弁当も自分で作るイクメンIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんが、2台の特徴を解説します。最初に取り上げるのはルンバ980です。

ロボット掃除機でルンバとダイソンが対決

 2015年9月29日にアイロボットが「ルンバ980」を、10月21日にはダイソンが「ダイソン 360 Eye」を発表した。ダイソンは2014年9月に同社初のロボット掃除機であるダイソン 360 Eyeを発表していたが、1年ちょっと経過してようやくの発売となった(過去記事「いよいよダイソンもロボット掃除機に参入」参照)

 ルンバシリーズは2002年の発売から10年以上が経過しており、世界中で圧倒的なトップシェアを誇る。そんな中で、掃除機専業メーカーとしてスタートした“巨人”ダイソンがいよいよ満を持してロボット掃除機を市場に投入したのだ。

 9月に登場したルンバ980(実勢価格12万5000円/税別)は大幅な進化を遂げており、これまでのルンバシリーズとは一線を画したものに仕上がっている。一方の「ダイソン 360 Eye」(同13万8000円)も、日本の家庭における長期間の実地テストを経て製品化にこぎ着けた。

米アイロボットの国内総代理店を務めるセールス・オンデマンドが2015年10月10日に発売した「ルンバ980」
米アイロボットの国内総代理店を務めるセールス・オンデマンドが2015年10月10日に発売した「ルンバ980」

ダイソンが2015年10月23日に発売した「ダイソン 360 Eye」
ダイソンが2015年10月23日に発売した「ダイソン 360 Eye」

 ルンバシリーズを展開するアイロボットにとって、ルンバのライバルはダイソンだけではないが、掃除機メーカーとしてグローバルでかなりのシェアを持つダイソンがロボット掃除機市場に乗り込んだインパクトは大きい。実際にルンバシリーズの発表会でも、アイロボットCEOのコリン・アングル氏にダイソンとの違いなどについて報道陣から何度も質問が飛んだ。市場の活性化という意味でダイソンの参入を歓迎しつつも、かなり意識していることは間違いない。

ルンバ980を持つアイロボットCEOのコリン・アングル氏
ルンバ980を持つアイロボットCEOのコリン・アングル氏

2014年9月に開催されたダイソン 360 Eyeの発表会にはダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏が登壇した
2014年9月に開催されたダイソン 360 Eyeの発表会にはダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏が登壇した

 一方のダイソンも、昨年9月の発表会、今年10月の発表会のどちらでもルンバシリーズとの性能比較デモを実施しており、「打倒ルンバ」を狙っているのは間違いない。

 ルンバとダイソン、両社の新製品の違いはどのあたりにあるのだろうか。まず、国内市場シェアをはじめとしてグローバルでもロボット掃除機市場で7割以上のシェアを持つルンバシリーズから見ていこう。