子どもを産む前、私は自分を「世の中の先端で働いている」と勘違いしていた。テレビ局は情報の最前線にあるのだから、私ったら特殊な仕事をしているんだわ、なんて。本気でそう思っていた。そう、私はとてつもない世間知らずだったのだ。
大学を出て新卒でテレビ局に入り、会社と自宅以外は知らない生活。高い給料をもらい、すっかりエリート気取りだった。何千倍もの競争率を勝ち抜いて就職したのだから、そういう待遇でも当然だと思っていたのだ。おお、なんという期待通りの女子アナ像!
そんな「特別な私」なのだからと、最初の出産ではセレブ御用達病院の個室を取り、息子が1歳になった頃には名門幼児教育教室の門を叩いた。で、壁一面に貼られた幼児による名画の模写を見ているときにハッと気付いたのだ。私、ずいぶん無理してないか? 誰も私のことそんなに注目してないのに、誰に向けて絵になる育児をしようとしているんだろう?
背伸びをした子育てに私はたびたび疲れてしまって…
見れば、そんな息苦しそうなお母さんたちが紺のスーツに身を包み、子どもを最高の作品にしようと意気込んでいる。ああ、私、この世界にいたら壊れちゃう。ちょうど仕事が忙しくなったこともあり、幼児教室には早々に見切りをつけて、お受験はしないと決断。子どもは車で5分ほどのところにある民間の託児室に預けた。(次ページに続く)
オーストラリアは春!森にはワイルドフラワーがいっぱい。西オーストラリアには稀少なランや珍しい植物がたくさんあるので、花を探しながら散策するのも楽しいです。ここはマーガレットリバーという西オーストラリアの軽井沢みたいなリゾート地。
そのマーガレットリバーから車で1時間ほど北上したところにあるキャナル・ロックス。2億3千万年前にゴンドワナ大陸が出来たときに、今のインド亜大陸とオーストラリア大陸ががちーんとぶつかって地下深くでぎゅううっと作られた岩が、むき出しになっています。川みたいに見えますが、巨岩地帯に海が流れ込んで大きな運河のようになった自然の造形。すごいスケールに足がすくむ!
次ページから読める内容
- 仕事が何であろうが「ここ」に来ればみんなひとりの親
- シーツがけをしながら感じていた連帯感に支えられて
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