普段は慌ただしい毎日でも、週末に思い立ったら子どもとおやつを作ってみるのも楽しい気分転換になります。人気料理研究家のコウケンテツさんやコウ静子さんら三男一女を育てる傍ら、韓国の食文化を通して、心と体に健やかなライフスタイルを提案してきた料理研究家・李映林さんは、毎日の食卓やお弁当、そしておやつを通して子ども達とコミュニケーションを取ってきました。お子さん達が小さいころによく作ったという、ふわふわなフレンチトーストの作り方を教わりながら、子育てのエピソードやアドバイスも伺いました。

一度に軽く、食パン1斤がなくなっていく

焼くそばから子ども達がペロリとたいらげていったというフレンチトースト
焼くそばから子ども達がペロリとたいらげていったというフレンチトースト

李映林さん(以下、敬称略) 今日ご紹介するフレンチトーストは、4人の子ども達が小さいころに本当によく作りました。きっかけは、ある時、子ども達と一緒にテレビで観たアメリカ映画の『クレイマー、クレイマー』。その中で、お父さんと幼い子どもがキッチンで作るフレンチトーストが印象的に描かれています。2人で過ごした時間と、絆の深さを感じるフレンチトーストが切なくも、とてもおいしそうで、「映画に出てくるあのフレンチトーストが食べたい!」と言ったのが始まりでした。みんなでまねして作って以来、しょっちゅう食べていた思い出のおやつです。

 ちょうど家を建て直したころで、息子のケンテツは自分の部屋の壁まで『クレイマー、クレイマー』に出てくる部屋と同じ、空色地に白い雲の柄にしていたくらいでしたよ。

日経DUAL編集部 本当に好きな映画だったのですね。それにしても、お子さんが4人もいると食べる量も相当なものだったのは?

 そうですね。フレンチトーストを作るときは、食パン1~2斤はすぐなくなりました。牛乳も一度に1リットルパックを使い切りましたね。焼いても焼いても子ども達はすぐ食べ終わっちゃいますから、フライパン2つでずっと焼き続けていたんです。

―― 作り方も映画と同じに?