仕組みが分かりやすいことが続けられる秘訣

 世の中に貢献できるだけではなく、自分の心も豊かになる寄付。興味を持ったとしても、世の中には、寄付を受け付ける団体は無数にある。「寄付したいけど、どこにしたらよいかわからないという方は多いと思います。そういう場合は、次のポイントを参考にして下さい」と近藤さんは指摘する。

 1つは、寄付の仕組みの「分かりやすさ」。「これはとても大事。分かりにくいのは続きません」(近藤さん)。2つめは、目的がはっきりしていること。3つめは、寄付の対象が目に見えること。つまり、寄付金が何に使われるかが明確なことだ。そして4つめは、なんらかの成果物があることだ。そのほか、「その団体の支援者のコミュニティがあれば、寄付者同士の思いや体験を共有することができます。また、支援する対象と直接つながりを持つことができれば、より幸福感が増します」(近藤さん)。

 こうしたポイントを調べるには、まずはその団体のホームページを見るとよい。「きちんとした団体はホームページで活動内容を公開しているので、そこで自分が興味のある活動や共感を得られる考え方のところを探しましょう」と近藤さんは話す。

支援地域の子どもと直接交流できる寄付プログラム

 近藤さんが指摘する上記のポイントをすべて満たす寄付プログラムの代表例としては、国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンの「チャイルド・スポンサーシップ」が挙げられる。

 チャイルド・スポンサーシップは、貧困に苦しむ子どもを支援する寄付プログラムだ。

 日本に住んでいたらなかなか実感できないかもしれないが、世界の5人に1人が1日150円未満で生活しており、1億6795万人の子どもが「児童労働」を強いられており、5700万人の子どもに教育の機会が無く、毎日約1000人の子どもが、安全ではない水を飲むことが原因で命を落としている。

 チャイルド・スポンサーシップは、こうした子どもたちの健やかな成長のために、子どもが住む地域全体の教育、保健、水衛生、生計向上、栄養改善などを、継続的に支援する。寄付金額は月額4500円(1日約150円)。もちろん、ワールド・ビジョン・ジャパンは認定NPO法人なので、税額控除も受けられる。

 チャイルド・スポンサーシップは、支援地域の子ども(チャイルド・スポンサーシップでは「チャイルド」と呼ぶ)と交流できることが最大の特徴である。チャイルドは、国、性別、年齢で検索することができるので、例えば、仕事で関係のある国のチャイルドや、いつか訪ねたいと思っている国のチャイルドを見つけることができる。ちなみに、1人のチャイルドは、1人の支援者にしか紹介しない仕組みになっている。

 ワールド・ビジョン・ジャパンの目黒由美子さん(マーケティング第1部長)によれば、「支援する子どもとつながりを持てるからチャイルド・スポンサーシップを始めた、という人も多い」という。「自分のお子さんの年齢に近いチャイルドを選び、支援を始めるお母さんも多くいます。お子さんとチャイルドそれぞれの成長や、生活や文化の違いを感じながら、日本とは違う世界があることをお子さんたちが知る機会となっています。水や食事が簡単に手に入る、日本の生活のありがたさを実感することにもつながっているようです」(目黒さん)。

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