家のことをきちんとしていないと恥ずかしい

中学に入っていっそう家事手伝いに力を入れるようになったという
中学に入っていっそう家事手伝いに力を入れるようになったという

 小学校生活が始まると、学校にあまりなじめなくて、家で洗濯物を畳んだり、食器を洗ったりと家事を自分からするようになりました。母と祖母は「うちの子は勉強ができない、子どもらしくない」と愚痴ったことはありますが、「うちの子は全くお手伝いしない」とは言ったことないです(笑)。

―― 家事が子ども心に楽しかったんでしょうか?

 いいえ、全然。それも消去法です(笑)。学校に行って同級生となじむ努力をするよりは、家にいてニットを柔軟剤入りで洗ったり、アイロンをかけたりする仕事のほうが私にはできる、と思ったんです。

 中学生になると、祖母が実家のある秋田に戻りました。父は沖縄に単身赴任で、母はフルタイムで仕事。家事をできるのは私一人だったので、とにかく家のことをきちんとできていないと恥ずかしいと思って、よりお手伝いに力を入れるようになりましたね。

―― 誰に対して恥ずかしかったのですか?

 世間様です。共働きで、両親が子どもをほったらかしているから子どもがグレたとか、援助交際始めたとか言われるのは絶対に恥ずかしい!と思って(笑)、きちんと家を整えることに全力を注ぎました。

―― 平日はご両親とも働いていて一緒に遊ぶ時間がなかったかもしれないですが、土日は一緒に公園に行ったりとか、遊園地に行ったりとかして遊んだのですか?

 嫌です、そんなの!

―― え、困ります?

 ちょっと困りますね。「お父さんと遊園地行こうか」みたいなお父さん、嫌です(笑)。父とよく行ったのは、近くの金魚屋さん。父は金魚を「ちゃん」付けで呼んでかわいがり、そんな父の様子を見るのが好きでした。母とも家の近所を一緒に買い物したりとか叔母の家に遊びに行ったりと、身近で済ませることが多かったです。