小早川 ここからは、家庭での交渉に関して、皆さんが困っていることを聞かせてください。
窪井 本当にささいなことなんですけど……。うちでは子どもの歯磨きは、まず本人が磨いた後に親が別の歯ブラシで仕上げをしているんですが、時間がないときは親が膝に乗せて最初から磨いてしまいます。昨日も遅い時間になってしまったのですが、妻が2本の歯ブラシを僕に渡してきたので、普段通りまず子どもに磨かせたんですね。でも妻は子どもに歯ブラシを持たせながら、最初から僕に磨いて欲しかったみたいで。あとはコップにくむ水の量のこと。僕は経験を重視するので、前回は多く入れすぎてこぼしたから、今回は4分の1くらいしか入れなかった。そうしたらもっと入れてって話になって。そういう小さな言い合いが積み重なっています。お互いにやってほしいこと、気持ちなどを上手く伝えるにはどうしたらよいのでしょうか。
田久保 子どもへの言い聞かせ方はすごく悩んでいて、いつも育児書などを見ながら接したりしています。あとは、家庭で日ごろ関わることが多いのは夫とか自分の両親ですが、問題が起きたときは正直、交渉するというよりは聞き流すか受け入れるかのどちらかが多いです。それでも家事の分担などでけんかすることも。どう交渉すればいいのかなというのは、いつも悩んでいます。
石田 うちは旦那さんがすごく色々やってくれるので、ウィンウィン(W-W)やウィンルーズ(W-L)ということでは、もしかして私だけ勝って旦那さんにすごく負けさせている気がして。朝は女性のほうが準備に時間がかかるので、夫が朝ご飯を作って片付けるし、子どもの準備もする。それが当たり前みたいになっちゃって、私だけ独り勝ちなんじゃないかなっていうぜいたくな悩みです。
小橋 今後、子どもに対してお互いW-Wになる接し方を知りたいです。それと、うちは夫が研究者で温室育ちみたいな人。家で家事をシェアするときなどは、私がお願いしたら快くやってくれるけれど、言われなかったらやりません。夫がすごい指示待ち人間になっているということにある日気付きました(笑)。果たしてそれでいいのかなと……。
小早川 ありがとうございます。ここでは「うちは夫(妻)が何もやってくれません」っていう人がいないですね。素晴らしい。
窪井さん、奥様は窪井さんが、過去の経験を重視して行動していることをご存じですか。