デリバリーでも食べていればOK 悩みから解放されたママ

 「毎日忙しくしているあるワーママが子どもの食の細さに悩んでいたとき、夫から○曜日だけ夕食をデリバリーにしたら?と提案されたそうです。デリバリーなら洗い物はたくさん出ないので、食事の準備や片付けの時間が短縮できる。そして家族みんなでゲームをしたり、お風呂で遊んだりする時間に変えてみた。すると子ども達の食への意欲が高まって、集中して食べるようになったといいます。

 そのママはそれまで子どもに食べさせたい一心で食事作りを本当に頑張ってきました。だから、デリバリーで代用することをなかなか受け入れられなかった。でもある日、ピザの日を楽しみにしている子どもに『ママの料理よりピザがいいの?』と聞くと、子どもが『違うよ、ピザがいいんじゃないよ、ママと遊べるからだよ』と言ったそうです。

 子どもは単に食後にママと遊びたかっただけなんですね。それまでは食後にママが遊んでくれないから食べることも頑張れなかった。でもデリバリーを始めて、早くいっぱい食べたら遊んでくれるとわかり、結果として子ども達は食べる量が増えたのです。

 このように、ごはんを食べたら遊べて楽しい! デザートがもらえてうれしい! ママが喜んでくれた! という『楽しい』や『うれしい』につながる食事を経験させてあげられるといいですね。

完食した後のごほうびが待っている!(写真はイメージ)
完食した後のごほうびが待っている!(写真はイメージ)

 食が細い子は特に、そうしたご褒美がないとしんどい食事になってしまいます。食事作りが苦行になっているのなら、頑張り過ぎるのをやめてみましょう。外食、パパごはん、クッキング教室…手法は様々あります。子どもが望んでいるのは『機嫌のいいママ』。ママ自身が機嫌よくなれる自分自身のスイッチを探してみるのも一つですね」

 第2回では、食が細い子どもが食べるようになる具体的な声かけや食卓のつくり方など実践的なテクニックを紹介します。

(ライター/相川直美、写真/鈴木愛子)