日経DUALから、「保活」に役立つムック「保育園に入りたい!2016年版」が発売されました。

 複雑な保育園の種類を整理して説明するほか、園見学や申し込みの方法、待機児童になってしまった場合の次の一手、ママの仕事復帰で準備すべきことなどについてもやさしく解説。保活ビギナーのママ&パパだけでなく、出産を控えた同僚や後輩へのプレゼントに最適です!

 本の中身を4回に渡って掲載しています。3回目の今日は2回目に続き、第1章から「保育はやっぱり『認可園』が一番?」という部分を紹介します。認可と認可外園の違いを理解し、賢く保活を進めましょう。公設公営の公立保育園が増えない理由についても分析しています。

<本の目次>
【第1章】 保育園はじめの一歩
【第2章】 さあ、保活のスタートです!
【第3章】 もし「待機児童」になったら?
【第4章】 今、保活ママが直面している問題
【第5章】 「みんなのラクラク保育園検索」活用法
【第6章】 園が決まったら、復職後の保育園生活に備える

「保育園に入りたい!2016年版」
10月7日(水)発売!!
税込980円です。

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認可保育園だから良いという思い込みはなくす

 新制度の実施に合わせ、従来の認可外保育施設が認可を受けて認可保育園になったり、小規模保育園になったりしていますが、こうした施設の中には、以前からの施設環境のまま、就学前までの認可保育園になるものもあります。そもそも都心・湾岸地域などは、新設の認可保育園であっても園庭がなくビルの中に入っているところが多くなっています。今後は、認可保育園といっても外見的には認可外と変わらないようなところが増えてくるでしょう。

 施設環境が不十分でも、保育士の頑張りで良い保育を行っている施設もありますが、保育士の負担が多くなりすぎて保育の質が下がっていないか、「認可保育園だから」という思い込みをなくして、チェックする必要があります。

なぜ増えない?公設公営の公立保育園

 とはいえ、こうした事情を加味しても、やはり子どもを通わせるなら、認可保育園がよいと考えられます。認可保育園はやはり安心できる保育施設なのです。2009年ごろからは認可保育園を増やす機運も明らかになってきています。

 ただし、近年は認可保育園の新設時、公設公営の公立よりも私立に力を入れている自治体が多くなっています。これは、公設公営の公立保育園は運営費がかさむという理由からです。

 公営の保育園の職員は基本的に公務員なので、一定の待遇が保障されており、その分、人件費がかかります。財政が苦しい自治体では、公設公営だけど、正規雇用(公務員)ではなく非常勤職員ばかりが多くなっている保育園もあります。

 公設公営の保育園がコストカットの対象となっている背景には、約10年前(2004年)の三位一体改革という地方分権改革で、公立保育園の運営費がすべて市区町村の一般財源に移行してしまい、それより前に比べて市区町村での予算確保が厳しくなったということがあります。

 これに対して、一般財源化されていない私立園には、国から直接下りてくる運営費があり、その分、市区町村の予算は助かるのです。公設公営園を公設民営の保育園にすると(民営化)、民間法人に安い予算で運営を委託できるので、これもコストダウンになっているのです。

 「保育園の種類を知ろう!」の中でもご紹介した通り、子どもの貧困問題や児童虐待などの問題が起こっている今、認可保育園の拡充と、その核として公設公営園の維持は必須だと考えられます。みなさんも保育園探しの前に、少し、考えてみてください。

(本文/普光院亜紀 写真/吉澤咲子)

「保育園に入りたい!2016年版」
10月7日(水)発売!!
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