ここ数年、小学校受験業界で注目を浴びている塾がある。国立や有名私立小学校への合格率をメキメキと伸ばしているのが、ジャックだ。通っている子ども達は“ジャッカー”と呼ばれ、親たちの信頼も厚い。そんなジャックの特徴は、子どもの授業の間、親は後ろで見守ること。親も一緒に先生の指導法を見て学ぶことで、家でも同じように子どもをサポートしていくことができるという方針だ。

 子どもと一緒に親も学ぶ塾、ジャック幼児教育研究所の理事、大岡史直さんに話を聞いた。

DUAL家庭の受験対策は、土曜は塾、日曜は家族で体験

 小学校を受験しよう、そう思ったとき真っ先に考えるのは、専門の塾に通わせるかどうかということだろう。共働きのDUAL家庭にとって、塾に通わせる時間のやりくりや送迎を確保するのは至難の業。祖父母やベビーシッターが頼める人は幸運だが、基本的には平日はもちろん難しいという人は多いはず。共働き家庭の小学校受験が増えていると聞くが、それでも塾に通うメリットとは何だろうか。

 人気急上昇中の幼児向け塾、ジャックの大岡史直さんに話を聞いた。

 「ペーパーテスト対策などは、ご家庭でもできると思います。しかし、小学校受験には他の子ども達との共同製作や行動観察などがあり、そうしたものへの対策はやはり家では難しいですよね。また、ペーパーテストも効率のよい解き方や子どもが納得のいく教え方など、教室の先生たちは経験とノウハウをしっかり持っています。家ではできないことを集中的に教室で学ぶ、というのが共働きのご家庭には合っていると思います。忙しくてなかなか通えない、という人こそ年少児のころから少し早めにスタートして、ゆっくりやるのもいいですよね」

 ジャックでは、火曜日から土曜日までレッスンを行っているが、受講生が一番多いのが土曜日だという。土曜の受講生が全体の4割を占め、フルタイムの共働き家庭も全体の2割以上を占めているそうだ。

 「ジャックでは、保護者の方にも後ろで授業を見学してもらいます。平日は通えない分、土曜日にお子さんと一緒に来てご夫婦でレッスンを見学する方も多いです。受験では、日本古来の四季の行事や植物、動物に関する問題や質問も出ます。それも暗記するのではなく、家族で自然を感じられるような体験をするのに日曜日を使うと、家族で楽しむ時間もとれますよね」

 家でできることは自分達で対策し、必要なところだけ塾で教えてもらうというのが、共働き家庭には適しているようだ。平日通わせるのは大変だからこそ、土曜日に集中的に必要なクラスをピンポイントで取って通い、日曜日は家族で楽しみながら体験をさせる。週末を上手に使いこなすことがキーになりそうだ。

ジャック幼児教育研究所の理事、大岡史直さん
ジャック幼児教育研究所の理事、大岡史直さん

働いている親だからこそ、教えられること

 小学校受験に共働きは不利だといわれた時代もあったが、いまでは歓迎する学校も増えてきている。しかし、実際に働く親だからこそ子どもにしてあげられることはあるのだろうか。