どんな子でも進んで食べるとウワサの給食。食の細いお子さんを持つ親にとって、そんな魔法のようなごはんを手がけるのは、新渡戸文化子ども園の給食の先生・鮑子奈緒美さん。基礎編では、幼児期の子どもが食に関心を抱くよう、大人ができる様々な働きかけを教えてもらいました。今回の実践編では、小食なお子さんのいるワ―ママたちの悩みに答える形で、食事づくりに使えるワザを具体的にQ&A方式で紹介します。

【食が細い子の完食ごはんテク 特集】
第1回 食が細い子の食欲スイッチはどこにある?
第2回 食が細い子が食べるようになる言葉がけ
第3回 新渡戸文化子ども園の“完食給食”の秘密
第4回 子どもに人気の給食室に学ぶ 完食ごはんのつくり方 ←今回はココ

Q.幼児食と大人食作りで押さえておくべき“違い”は何ですか?

A.辛みのあるスパイスは使わない。その違いだけです。

 消化機能が発達した3歳以降であれば、大人がおいしいと感じる料理で大丈夫です。作る大人がおいしくないものは、子どもにも出せないですものね。子どもだからと特別意識する必要はないと思っています。ショウガやニンニク、大葉、みょうがなど、香りの強い食材も子どもは食べられます。唯一、辛いのは苦手。大人食の場合だと「もう少し辛みが欲しい」ところでも、やさしい味つけにとどめておいておくのがベターです。

 子どもそれぞれに好みはあります。親子であってもきょうだいでも好みは違いますから、「こんなにおいしく作れた料理を、なぜ食べないの!!」なんて憤慨する必要はないですよ。

酸味と苦みは、子どもの体は「毒」と感じる

Q.どんなに工夫しても、ピーマンだけは食べてくれません。

A.正しい反応です

【次ページからの内容】
●子どもの体は、酸味と苦味を「毒」と感じる
●主菜と副菜の味付けバランスで箸がすすむか決まる
●子どもが食べやすくなる野菜の切り方
●子どもが一日に取るべき栄養はどれくらい?
●苦手な魚を食べやすくするソースやとろみ活用術