私は時間に自由が利くフリーランスライターという職業柄、「3歳くらいまでは午前保育くらいでよい」と考えていたのだが、1歳になった子どもは終日グアルデリアに行くのが当たり前のスペインにいては、園に通わないと日中一緒に遊べる子どもがいないと気づき、予定を前倒しして息子を通園させることにした。

 グアルデリアもそうだが、プレスクール(3~6歳)、小学校、中学校でも、一日の就学時間が朝9~17時(お昼休憩を挟む)と、小さいときから長い時間学校に拘束される生活なので、日中の自由時間が少ないのが親としては気になっている。

送り迎えに振り回される一日。遅い終業時間も課題

 スペインでは、ランチは基本的に家で食べる。そのため子どもの送り迎えは一日4回! わが家の例でいうと、小学生の息子と幼稚園児の娘と送り先が2カ所あるため、旦那と分担して各自一日4往復の送り迎えをしている。慣れてきた現在はそれが普通のこととしてこなしているが、最初は送り迎えだけで一日が終わったと感じたほど振り回された感があった。

 ランチに帰宅するのは難しい場合、子どもはグアルデリアや学校で給食を食べるが、給食代は月120~180ユーロと高額だ。

 長いお昼休みを短縮し、その分早く帰宅させるほうが合理的だとの意見もあるが(就学時間9~14時を取り入れ始めた学校もある)、「学校が午後2時で終わった後、子どもを預ける場所がない」と、就学時間を変えることに抵抗を示す人も多く、間延びした就学時間はまだしばらく続きそうだ。

 お昼に長い休憩時間を取る習慣は、子どものお迎え時間にも影響を与えている。スペインで一般企業に勤めると、勤務時間は「朝9時から14時」、そして長いお昼休みを挟んで「16時~19時半」。これだと朝はともかく、夕方子どもの迎えに間に合わない。つまり働く夫婦以外の助けがないと働き続けられない勤務時間帯が設定されているのだ。

 ITプログラマーの友人のルシア(仮名)は、子どもができるまでは上記のような時間帯で働いていたが、2時間のランチタイムを短時間で済ます代わりに、夕方5時前には退社したいと会社に交渉し、成功した。おかげで以前はベビーシッターに任せざるを得なかった子どもの迎えに行けるようになった。

 ただ、昼時間短縮はすべての社員ができるシステムにもかかわらず、同僚の男性社員達は従来通り長いお昼休憩を取り、帰宅時間が遅い勤務形態を続けているという。だから、チームでの仕事があると、従来通り7時過ぎまで残らないといけないことも…。「制度は整ったけどまだ男性の意識が、ね…」とルシア。「妻や祖母に任せているお迎えに自分が行ける状況になっても、まだ女性頼みな人が多いのよ」と。

 共働きであってもまず女性に負担が偏りがちな状況はスペインでも見られる。それでも日本に比べると送り迎えに来る父親の姿をよく見るし、授業参観や保護者説明会でも父親の参加率は高い。

 息子の幼稚園のオープンデー(授業参観)では、週日の昼間という時間帯にもかかわらず、生徒の3分の1の父親が参加していた。聞くと「会社にはプライベートなことで休むと言えば済むこと」との返事が。子どもの行事のために会社を休むことに社会的なプレッシャーや心理的抵抗が少ない気がする。

夜8時ごろまで外で遊んでいる息子は、帰宅後と翌朝の登校前に分けて宿題をする。低年齢から宿題の負担が大きいことがスペインで子育てをしていて気になる点だ
夜8時ごろまで外で遊んでいる息子は、帰宅後と翌朝の登校前に分けて宿題をする。低年齢から宿題の負担が大きいことがスペインで子育てをしていて気になる点だ