小学校に上がると親子関係はあっという間に次のステージへ。10代前半から始まる“思春期”も子育ての大きなテーマ。「いつかは来る、わが子の思春期」を上手に乗り切るために、知っておきたい親子のコミュニケーションのポイントを探ります。特集では、突然の反抗期到来から、万引きや家出、「性」への興味との付き合い方などについて、思春期を迎える子ども達と長く接してきた2人の専門家に話を聞きました。4回に分けてお届けします。

【いつかはわが子に思春期がやってくる!特集】
第1回 「『うるさい、クソババァ』突然の反抗に慌てない」
第2回 「家出、万引き…親の真価が問われる問題行動の対処法」
第3回 「小3から『性』への興味 親は何と答えるか」
第4回 「子ども同士がアポなしで遊べない時代に必要なこと」

 ママ、ママ……とあんなに甘えん坊だったわが子が、ある日突然、まさかの捨てセリフ、「クソババァ」を吐き捨てる――。
 いつか来るかもしれないこの瞬間に味わうであろう喪失感を想像するだけで切なくなるという親は多いだろう。

単純に褒めるだけではうまくいかなくなる

 思春期というと小学校高学年くらいからというイメージがあるが、早い子では小学校中学年からその兆候が見えてくる。あるいは小学校に入るか入らないかという早期から、「単純に褒めるだけで素直に言うことを聞いていたのに、反抗されることが増えてきた」と戸惑っている人もいるかもしれない。

 思春期、プレ思春期の“わが子の変化”に対応するために、親として準備しておきたい態度とはどのようなものなのか?

 公立中学校で19年間「保健室の先生(養護教諭)」として経験を重ね、現在、一般社団法人生涯学習開発財団の認定コーチとして思春期の子どもに対する向き合い方の指導を行っている三浦真弓さんが日ごろからアドバイスしているのは「親側の意識の切り替え」だ。

【次ページからの内容】
●10歳がターニングポイント 親を疑う意識が芽生える
●学校のことを話してくれないときに親がすること
●部屋が散らかるのは子どもからのサインの一つ
●思春期で子どもが離れて寂しい親の気持ちのやり場は?
●思春期の子どもの心を支えるのは「第3の大人」