妊娠・出産を通して、ワーキングマザーの視点から身近な体験をもとにお金のやりくりを伝授してくれたファイナンシャルプランナーの花輪陽子さん。連載の最後は、ついつい財布のひもが緩くなりがちな共働きカップルへの「お金が貯まる3つの秘訣」で締めくくります。

危機感を持つと貯金がスムーズになる

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。シンガポールで暮らし始めて4カ月くらい経ちますが、世帯収入が減り、食費などの物価が上がったにもかかわらず、日本にいたときよりも貯金がスムーズにできています。「海外でうまくやりくりができるのか」という不安もあり、1カ月の生活費の目安が分かるまで固定費を増やさないようにしていたのがよかったのかもしれません。貯め上手になるための1つ目の秘訣として、危機感を持つことがあります。

 「金は入っただけ出る」というパーキンソンの法則があります。家計支出は収入に応じて増えるばかりでなく、収入を超える傾向があり、ほとんど常にそうなるという考え方です。共働き夫婦の多くに当てはまるのではないでしょうか。自由なお金が増えれば、それに応じて自由気ままに使ってしまい、収入以上に使い過ぎてしまう傾向があるとも言えます。

 収入の増加以上に生活レベルを上げ過ぎないように注意しましょう。利用するスーパー(高級スーパーばかり利用すると食費が高騰する)や洗剤などの生活用品の値段や量などにも気を配ることが大切です。一つ一つはそれほど大きくないと思っていても、積み重なると大きな出費になるからです。