普段からの子どもとのコミュニケーションが大切

Q. お子さんがいじめを受けていることに、どのようにして気づきましたか?(複数回答可)

 62.7%の人が「子どもから直接、聞いて知った」と回答。次に多かったのは「子どもの言動や体調の変化で察知した」(33.9%)だった。

 読者アンケートの結果も示しているように、やはり子どもの話を聞いたり変化に気づいたりできるのは、一番近くにいる親だ。子どもと一緒にいる時間が少ない共働き家庭であっても、できるだけ普段から学校のことを一緒に話したりする時間を持つようにしていれば、言動や体調などの小さな変化にも気づいてあげられるだろう。

 ただ、子どもに自立心が芽生えるようになると、「自分のことは自分で解決したい」と思う気持ちも生まれてくる。今は何でも話してくれると思っていても、その過信が、後に後悔を生む可能性もある。日ごろから、「いじめがあったら話してね」といったアプローチをしておくことも、大切だろう。以下の読者のコメントは、その参考になりそうだ。

■「5年生の息子は、6歳のときから学童、学校、お稽古、近所といろんな場所で小さないじめにあいますが、その都度本人が教えてくれます。しばらくは見守り、度が過ぎていると感じたら、直接いじめている子を注意するか、先生や周囲の大人にどんな様子なのか相談しています。これは言うべきと判断したときは、子どもの意見を尊重するためにも、私から息子に『その子に注意するか、その子の親に相談するね』と話し、息子の様子をうかがいます。相手方に話をするときは、一方的ではなく、両方の言い分を聞いてみるようにもしています。大きくなると、もっと陰湿ないじめも出てくると思いますが、こうしたやり取りをきちんと子どもにも伝えることで、子どもに『困ったら周囲の大人に相談すれば解決できる』ということが伝わっているのではと思うのです」(41歳女性、その他)

 

――次回は、わが子のいじめを体験したママ・パパ達はどう対応したのか、読者アンケートに寄せられた声をお伝えしていきます。

【子どものいじめ もしわが子がされたら…親の役割特集】
●読者の体験から見るいじめの実態と対処法
第1回 子どものいじめ 最初に受けた年齢は6歳が最多
第2回 いじめ 読者に聞いた「そのとき親はどうしたか」

●専門家に聞いた「親がすべきこと、できること」
第3回 いじめSOS打ち明けられたときの親のダメ対応は?
第4回 いじめから逃げる、学校と連携…親ができる具体策

(文/辻啓子 図デザイン/Coccoto 柳沼恭子 イメージ写真/鈴木愛子)