最初のいじめは小学校へ上がってからが多い

Q. 最初にいじめを受けたのは何歳のときでしたか?

 わが子が最初にいじめを受けた年齢で最も多かったのは、回答者59人中、「6歳」が14人。続いて「7歳」が12人だった。小学校へ上がってからいじめの問題に直面する子どもの数はやはり多い。驚くことに、最少年齢は2歳だった(最高年齢は14歳)。

 専門家によると、いじめの初期段階では靴などの「持ち物を隠される」ことが多く、それが徐々にエスカレートしていくケースが多い。「いじめの内容はどんなものでしたか?(複数回答可)」と聞いた質問では、「言葉で攻撃されるもの」が一番多くて54.2%、続いて「仲間はずれや無視」が52.5%。「暴力を伴うもの」は35.6%、「軽い悪口」は28.8%いた。

 先月、文部科学省は国公私立の小中高を対象にした問題行動調査を公表したが、それによれば小学生の暴力が過去最多を記録した。子ども同士のいじめだからと決して軽視はできないだろう。

いじめに親は気づくことができるのか。それはいつ?

Q. いじめを受けた期間はどのくらいでしたか?

Q. お子さんがいじめを受けていることに、どの段階で気づきましたか?

 いじめを受けた期間は「1カ月~半年未満」が最も多くて30.5%、次に「1週間~1カ月未満」で28.8%。親がいじめに気づいた段階は、「いじめが始まって少し経ったころ」が45.8%、次に「いじめが始まってすぐ」で35.6%だった。

 興味深いのは、「わが子がいじめを受けていた期間」と「親がいじめに気づいた時期」との関係性だ。「いじめが始まってだいぶ経ったころにわが子のいじめに気づいた」と答えた人では、いじめを受けていた期間を「1年~2年未満」と回答した人が最多(37.5%)で、「2年以上」も12.5%いた。逆に、「いじめが始まってすぐ」に気づいたと答えた人では、約6割がいじめを受けていた期間を「1週間~1カ月未満」と回答。これを見る限り、いじめに気づくのが遅れると、いじめが長引く可能性が高いことが見えてくる。

 子どもが7歳のときから半年~1年間、学童でいじめを受けていた44歳女性(食品・医療・化粧品)は、「もっと早くに子どもがつらい目にあっていることを把握できていたら、長くつらい期間を過ごさせずに済んだと思った。日ごろから学校や学童の様子を聞くようにはしていたが、十分ではなかったと反省している」と書いた。

“もっと早く気づいていれば”と後悔する親は多い

 今回のアンケートで自由回答に目立ったのは、こうした、いじめに気づけなかったことなどを悔やむ声だった。

■「“保育園に行きたくない”の言葉にしっかり耳を傾けてあげればよかった」(39歳女性、介護・福祉、子どもが3歳のときにいじめ)

■「早く子どもの気持ちに気づいてあげればよかった」(34歳女性、その他、子どもが6歳のときにいじめ)

■「“保育園に行きたくない”と言ったときに、もっと情報収集をするべきだった」(53歳男性、放送・広告・出版・マスコミ、子どもが4歳のときにいじめ)

■「娘の元気がなくなってきた段階で気づき、子どもや友達に話を聞くべきだった。学校に対しても遠慮があった。教育委員会にも早く報告すればよかったと思う」(46歳女性、情報処理、SI、ソフトウエア、子どもが6歳のときにいじめ)

■「学校に相談せずに、親で何とかしようと努力したが、もっと早く担任の先生に相談すればよかった」(41歳女性、通信サービス、子どもが11歳のときにいじめ)

■「息子が悪いことも多かったので、“なるべく自分で解決しなさい”と伝えていたら、眼鏡を壊されるなど暴力的ないじめにもあっていた。もう少し注意深く話を聞くべきだったなと思いました」(31歳女性、教育・教育学習支援関係、子どもが5歳のときにいじめ)

 では、親はどうしたら子どものいじめに気づけるのか。