イベントはマンション購入者同士の交流にも

 マップが完成すると、いよいよチームごとに発表会です。

 まずはママチーム。2歳のりくくんのママは「今はまだ子どもと一緒に出かけることしかないけど、今後ひとりで遊びに行く時にどこに気をつければいいか教えてあげられるいい機会になった」と話していました。同行した萩原さんも「ママチームは小さい子どもが多く、子どもの世話に忙しかったにもかかわらず、ママ達はしっかり景色を見ていたのが印象的でした」。

 続いてはパパチームの発表。なぎくんのパパはなぎくんが小宮教授の「猫がいる!」発言に騙されたことに触れ、「ここで何度も騙されたおかげで、次からは騙されずにすみそう」とにっこり。小宮教授に「みんなをリードしてくれた」と言われたなぎくんとあやねちゃんは、恥ずかしがりながらも「楽しかった」と答えてくれました。

マップが完成した後、パパチームとママチームに分かれて1人ずつ感想を発表。「子どもに何を教えればいいか勉強になった」との声が
マップが完成した後、パパチームとママチームに分かれて1人ずつ感想を発表。「子どもに何を教えればいいか勉強になった」との声が

 最後に小宮教授から大切なアドバイスが。「今回の街の見方は、今日の帰り道でもできることです。親子で一緒に歩きながら、あるいはテレビで景色を見ているときに『ここは入りやすいか、見えにくいか』と考えてみてください」。親子での体験を今日だけにせず、日頃から繰り返すことが大切だというわけです。

 そして小宮教授は講義をこうまとめました。「こうした企画に積極的に参加しようとする方達は、好奇心や向学意欲をしっかりお持ちの方だと思います。親の姿勢を見て子どもは育ちます。これからもぜひいろいろなアンテナを張り続けてください」

 子どものために大切な情報を探し続ける姿勢こそ、パパに求められる大切な役割──今回イベントに参加した人達にとって、この日は、改めてそのことを再確認した日曜日になったのではないでしょうか。

これが完成した地域安全マップ。気付いたことを書き込むだけでなく、折り紙などを貼ることで子ども達がマップに愛着を持てるようになるのも地域安全マップづくりのポイント
これが完成した地域安全マップ。気付いたことを書き込むだけでなく、折り紙などを貼ることで子ども達がマップに愛着を持てるようになるのも地域安全マップづくりのポイント

取材・文/小沼理(かみゆ) 写真/中島明菜