息つくヒマもない毎日だからこそ、たまには夜空を見上げる時間をつくりたいもの。無数の星が瞬くさまを眺めていると、不思議に心が静まります。でも横に子どもがいたら、そのうち質問攻めに遭うはず。「星ってどれくらい遠いの?」「宇宙の果てには何があるの?」「宇宙人ってほんとにいるの?」……。実は大人も温めている素朴な疑問を、国立天文台天文情報センターの専門研究職員、臼田-佐藤功美子さんにぶつけてみました。
異星人からのメッセージを日々探索する研究者もいる
「宇宙人はいるのでしょうか」という問いに、臼田-佐藤さんは「分かりません、としか今は言えません」と答えます。
彼女によると、世界中の研究者がこの大問題に答えを出すべく日々取り組んでいるそうです。巨大な望遠鏡で宇宙を観測したり、宇宙探査機を飛ばしたりしているのも、一つには地球外生命探査のため。中にはメッセージを乗せた電波を宇宙に発信したり、逆に異星人からのメッセージを探すべく飛び交う電波を分析したりしている研究者もいるのだとか。
「しかし今のところ、地球外に生命が存在するという証拠は見つかっていません。ましてや人間のような知的生命体がいるかどうかは、臆測で語ることしかできないのが現状です」
もっとも最近になって、少しずつ希望の光が見えてきたのも事実。太陽系の外に地球のような環境を持つ惑星があるらしいことが分かってきたのです。
「地球のような環境」の第1の条件は、地表が岩石でできた「地球型惑星」であることです。太陽系にある8つの惑星のうち、地球型惑星は水星、金星、地球、火星の4つ。土星と木星は表面が気体や液体に覆われたガス惑星なので、地球型の生物は生存できないと考えられます。
それにも増して重要なもう一つの条件は、水が液体として存在できること。地球型惑星である水星、金星、火星は、いずれもこの条件を満たせません。「問題は太陽からの距離です。水星と金星は近過ぎて水が蒸発しますし、火星は遠過ぎるため凍ってしまいます」