見えない惑星なのに大きさや温度も分かるのはなぜ?

 ここで「太陽系外の惑星なんてほんとに見えるの?」と首をかしげた方は、なかなか鋭い天文センス(?)の持ち主です。恒星と違って自ら光を出さず、しかも恒星よりかなり小さいため、そう簡単には見えないのが惑星というもの。実際、存在が確認されている系外惑星のうち、直接写真に撮られたものはほんのわずかしかありません。

 「見えないのにそこにあると判断する方法には、まず恒星の動きを分析するやり方があります。例えば太陽にしても、ずっと同じ位置にどしりと存在しているように思いがちですが実は違います。周囲を惑星が回っていれば、その重力の影響を受けてわずかにふらついているのです。そのふらつき具合を分析することで、目には見えない惑星の存在を知ることができます。もう一つ、惑星が恒星の前を横切る『食』を利用する方法もあります」

 ここでいう「食」は、「日食」や「月食」と同じこと。公転する惑星が恒星の前を通ると、その光が少しだけ遮られます。そのため恒星が周期的に暗くなる様子を観察することで、惑星が前を横切っていることがわかるのです。例えて言えば、まぶしい電球の前を小さな羽虫が横切るようなものですから、月が太陽を覆い隠す日食ほど暗くなるわけではありません。それでも「食」による明るさの変化から惑星のことがいろいろ分かるのです。

 「『食』の前と最中の明るさを比べることで、惑星のサイズを推定することが可能。恒星の温度はその光をスペクトル分析すれば割り出せますから、両者の距離が分かれば惑星の温度も推定できることになります」