ちなみに、日本にある「児童手当」というものはアメリカにはない。その代わり、確定申告の時期に子どもがいることで、税金の控除が可能になる。例えば、フルタイムで働いている夫婦は子ども1人当たり3000ドル、2人以降は6000ドルの控除が可能になる。また、17歳未満の子どもがいる家庭は一人につき最大1000ドルの控除が可能。そのほか、Dependent(扶養者)のための控除も適応される。

 日本よりやや複雑な手当てではあるが、税金の高いアメリカでは、このような控除を最大限に活かすことで、納税金額を少なくすることができるのだ。

「育児手当」はデビッドカードに振り込まれる

 さて、初めに少し触れたが、書類が無事申請、受理されると、EDD事務所より自分専用の新しいデビットカードが送られてくる。デビットカードを受け取るまでは電話でのやりとりが何度かあったが、受理されてからは恐ろしく早く手元に届いた。「育児手当」は、このデビットカードに振り込まれてきた。

EDDの書類と届いたデビットカード。本当に普通のデビットカード。定期的にEDDより育児手当が振り込まれるのでなくすと大変だ
EDDの書類と届いたデビットカード。本当に普通のデビットカード。定期的にEDDより育児手当が振り込まれるのでなくすと大変だ

 振り込まれた金額はそのままデビットカードとして使用してもいいが、いくつもカードを持ち歩くのは面倒だし、万が一なくした場合、再申請するのにまたEDD事務局に連絡をしたりと厄介なので、私は、このデビットカードに振り込まれた金額を都度自分の銀行口座に移すことにした。

子どもをリビングルームで遊ばせながら仕事をする。デスクに向かっていると遊んでほしいと言ってくるので、仕事は基本的に子どもが寝てからすることが多い
子どもをリビングルームで遊ばせながら仕事をする。デスクに向かっていると遊んでほしいと言ってくるので、仕事は基本的に子どもが寝てからすることが多い

 「育児手当」は給与の55%まるまるもらえる。ということは、確定申告の季節になると、この分税金の支払いをしなければならない。2月くらいに、EDD事務局より確定申告に必要な書類(源泉徴収票のようなもの)が届いた。

 だが、また書類に不備が! 届いた書類に書かれていた金額が私が受け取った金額よりも少なく書かれていたのだ。その分税金の支払いは少なくなるのだが、後から「脱税した!」などと言われても困るので、私は久しぶりにEDD事務局に連絡をした。もちろん、電話をしても、メールをしても全くつながらない。

 結局、確定申告の締め切り時期が迫っても返事がないため、書類に書かれていた金額のままで申告を行った。その後、政府から「いや、もっと『育児手当』もらっているでしょ! もっと税金払いなさい」といった連絡はないが、アメリカらしいといえば、アメリカらしいものである。