アメリカならではのデイケア作法

 アメリカでは、生後2カ月、3カ月のときから子どもを預けられるデイケア。施設によっては、ミルクは作り置きしておいて、冷蔵庫で保管、あげるときだけ温めるというところから、その都度調合してあげてくれるところもある。

 「作り置きして温めるだけ……。大丈夫か?」と思ってしまうかもしれないが、後々「調合を間違えた」などといったトラブルが起きないよう、また多くの赤ちゃんの面倒を見ているため、他の赤ちゃんと量を間違えたりしないようにという安全管理のため、事前に作ったものを与える仕組みになっているところも多いのだ。

 このときにも、以前の記事で紹介したReady to Drinkのミルクが役に立つ。事前に調合をして預けなくても、既に出来上がっているミルクをデイケアに預けておけばいいのだから、忙しいお母さんにとっては本当に便利だ。

 施設によっては、母親が仕事の合間に授乳に来ることができるところもある。また、日本ではまずないことかもしれないが、デイケアによっては室内土足というところもあった。はだしだと、足をけがする可能性があるので、土足になっているというのだ。これも、そのデイケア独自のルール。

 こうした作法やルールはそれぞれのデイケアによって違っていてデイケア選びの判断基準になる。

 私は日本人だからか、率直に言うと、やはり土足というのはやっぱりちょっと嫌だなぁ……と感じた。そうやって、自分にとってOK、NGをあげていって、自分にとって、自分の子どもにとって一番合っている施設を選んでいくしかないのだ。

保育料が安いファミリータイプ、事業経営がしっかりしているセンタータイプ

 デイケアは基本的に2タイプ存在する。ファミリータイプとセンタータイプだ。ファミリータイプは、一軒家やアパートなどで家族運営などで行われているこじんまりとした施設で、センタータイプは持ちビルなどで従業員などを雇って経営されているいわゆるビジネスタイプだ。

 ファミリータイプ、センタータイプそれぞれにメリット、デメリットがある。

 ファミリータイプは基本的に料金がセンタータイプよりも少々安くなっている。これは自宅で運営していることが多いということもあるし、従業員なども少なく、子どもの数も少ないため、全体的にかかる費用が少ないからだ。

個人の家で営業しているデイケア。看板などがないと、外からは普通の一軒家にしか見えない
個人の家で営業しているデイケア。看板などがないと、外からは普通の一軒家にしか見えない

 また、ファミリータイプは、家を改造して行われているため、アットホームな雰囲気ので日中過ごすことができる。ただ、ファミリータイプは、信頼できるところを選ばないと、他の人の目が行き届いていないため、中で何が行われているかわかりにくい。また、従業員が少ないため、子どもの数が多いと、ちゃんと面倒を見てくれているのかも心配だ。

 センタータイプは、企業や教会が運営していることも多い。従業員も多く、預かっている子どもも多い。その分、ファミリータイプよりも価格は高い。ビジネスとして事業を行っているため、従業員のトレーニングなどはしっかりしているし、施設内の管理もビジネスとして行き届いているという印象を受けた。

 アットホームか、それともビジネスか。これもまた、おのおのの家庭が何を重視するか……で判断する必要がある。