これを一日8時間、週5日で換算すると、月々1600ドルくらい(約20万円)は余裕でかかってしまう。かつ、しっかりと信頼できる人でないと、自宅に他人を入れることや、また、日中は赤ちゃんとナニーさん二人っきりになり他の人の目がないので、自分がいない間、虐待されたりしていないか少々心配なところもある。

 また、子どもが二人いる家は、結果的にナニーに頼んだほうが安くあがるというケースもある。どちらを選ぶかは、それぞれの良しあしを見極め、それぞれの家庭で決めていくしかないのだ。

 ナニーは、赤ちゃんの面倒を見ることがメーンだが、おうちの掃除や洗濯物などの家事をしてくれる人もいる。わが家のお隣さんは2歳違いの赤ちゃんがいたが、ナニーが毎日来て赤ちゃんのお世話をしていた。朝、車庫を開けると、たまにお隣のナニーさんが赤ちゃんを抱っこしながら洗濯物をしていた。

 また、英語があまり得意ではないナニーも少なくない。赤ちゃんに英語や日本語でたくさん話しかけてもらいたい場合は、英語または日本語ができるナニーを探す必要がある。

 ナニーはこれといった資格を持っている必要はない。いざというときに応急処置ができるかどうかを重視する人もいる。

 いずれにしても子どもを預けるのに、日本よりもお金がかかるのには違いない。収入に応じて金額が変わることももちろんない。高くて良いデイケアに預けたい場合は、お金持ちだろうと貧乏だろうと、その分の費用を払えれば誰でも入園することができる(空きがあれば)。

 アメリカでは誰もがみんな預けて仕事復帰を簡単にしているようだが、金銭面では日本よりも数倍苦労を強いられているのである。

生後6週目から預けられるところが多いアメリカのデイケア

 日本ではまず信じられない話だが、アメリカでは生後3ヵ月で仕事復帰をする家庭が多い。それもそのはず、アメリカの産休制度は基本的に産後12週間まで。アメリカの母親達はやむなく仕事復帰をするのだ。

 仕事復帰の時期を考慮して、こういったデイケアも生後6週間と、本当にまだ首も座らず小さいうちから赤ちゃんを預けることができるようになっている。

 また、デイケアは基本的に2歳までというところも多い。それ以降はPre Schoolといって、幼稚園に入れるのが主流だ。たまにデイケアセンターで、2歳以上も預かっているところもあるが、2歳以下と2歳以上ではまた取得しないといけないライセンスが違うらしく、だいたい2歳以下と2歳以上で預けるところが変わってくる。

 生後6週間といえば、まだまだ夜中に2回や3回授乳で起きるのはザラ。そんな状態で仕事復帰をしてしまうアメリカのお母さんは本当にたくましいと思ってしまうのは私だけだろうか?

アメリカのデイケア認可事情

 日本では国の認可、無認可によって保育園が分類されていると思うが、アメリカも同様、認可システムはあり、州ごとの認可だ。

 デイケアを運営するうえで、州からの許可、プラス、住んでいる市からのビジネスライセンス(営業許可書のような物)が必要となるが、中には州の許可を受けずに、市のビジネスライセンスのみで行っているデイケアもある。本当は州のデイケアライセンスを取る必要があるようだが、案外州の認可は取っておらず、市のビジネスライセンスのみで営業をしているところも多い。

教会のデイケアセンター中。センタータイプで費用もかかるが、しっかりと教育をしてくれるのと、施設も比較的充実していて子どもを預けるのには良い
教会のデイケアセンター中。センタータイプで費用もかかるが、しっかりと教育をしてくれるのと、施設も比較的充実していて子どもを預けるのには良い

 日本では認可外だと料金が高いというところも多いみたいだが、アメリカではあまり関係ない。

 州認可の保育園を運営している人に話を聞くと「本当は州からのライセンスを受けないといけないけど、受けないで営業している所も多い。通報すると自分達が子どもを預ける場所がなくなって困るから、親がわざわざ通報することはないのよね」とのことだ。

 子どもの安全と安心を考えるとやはり州認可を選びたいが、ゼロ歳児だと預けられるデイケアも限られてくるので、致し方なく無認可のデイケアを選ばざるをえない場合もあるのは確かだ。