「質」を重視して、メリットとデメリットを考える

 仕事をしながら子育てをすると、仕事を持っていないママに比べて、子どもと過ごす時間は確実に短くなります。でも、子どもとのコミュニケーションは、「時間」と「質」の両方で考えるようにしましょう。

 短い親子の時間の中で、どうやってクオリティーを高くするか、また、子どもからの様々な信号をしっかり受け取ることができるか。子どもが小さいうちだけではなく、小学校に入ってからも、これらは、働くママにとって永遠のテーマになるでしょう。

 保育園に行くと、子ども達は早い段階から集団生活に慣れます。小さいうちから集団生活を始めることで、社会性が身につくともいわれています。友達同士のけんかもあるかもしれませんが、子どもの成長にとっては貴重な経験になるでしょう。

 また、園での集団生活により、自宅で母と1対1の時間では得られにくい、様々なことを身につけることができます。絵本や手遊びなどの幅も広がりますし、運動会やお遊戯会、クリスマス会などの発表の場もあります。

共働きはスタンダードの時代 楽しむ余裕はきっと持てるようになる

 共働き世帯のほうがシングルインカム世帯より多くなり、「共働き家庭」がスタンダードになってきています。これからの時代は、「お母さん、仕事してるの?」ではなく、「お母さん、どんな仕事してるの?」などという子どもが増えてくるのではないでしょうか。

 右肩上がりに給与が上がった時代と違い、今は子どもを希望の大学に進学させたり、留学させたりしようと思えば、ダブルインカムのほうが経済的な余裕があります。今は「保育」でてんやわんやと慌ただしくしていますが、後に「教育」にもお金とパワーが必要な時期がきます。塾や予備校、習い事などに通わせるにしても、収入が増えれば、それだけ選択の幅が広がるでしょう。

 子どもは小さいながらに子育てをしながら働く親の後ろ姿を見ています。今は大変でも、決して後ろめたい思いをする必要はありません。少しずつ、ゆっくりと、そして堂々と、自分に誇りを持って、「ライフと仕事」の欲張りな人生を送ってくださいね。

(ライター/西山美紀 写真/鈴木愛子)