ひざとひざを突き合わせて、ときには夫婦でぶつかることも大事なことです。忙しくてすれ違ってばかりでは、改善はしません。夫は「妻はいろいろあって大変そうだな……」と思っていても、妻の何がどのくらい大変で、自分がどのように手助けしたらいいのかなどということまでは考えが及ばないもの。

 「相談したいことがあるんだけど……」と夫婦の話し合いの時間を設けましょう。子どもが寝静まった夜などに、お互いの顔を見ながら、話し合いましょう。今自分がどれだけ大変なのか、どこをどのように手伝って欲しいのかを伝えて、お互いが納得のいくスタイルを見つけていきましょう。

 ただ、結論が出なくても、話し合っただけで(自分の思いを吐き出しただけで)スッキリしたという人も少なくありません。

仕事を辞めるのはいつでも可能。続ける方法を模索して

 仕事を頑張りたくても、出産前のように時間が潤沢にあるわけではありません。仕事のやり方を変える必要があります。どうしても仕事がうまく進まないときは、何が難しいのかを考えて、職場のメンバーにサポートを求めましょう。思い切って、職場や仕事内容を変えてもらうというのも一案です。

 「もうスッパリ仕事を辞めてしまいたい」と思い詰めたときは、一旦立ち止まって冷静に考えてみることにしましょう。なぜなら、子どもがいる人が一度仕事を辞めてしまうと、再び正社員として(前職と同じ条件で)希望の勤め先に就職することに関しては難しい面もあるからです。

 辞めることはいつでもできます。生涯にわたって働かなくてもいい状況の人、子どもや自分自身の体調などで難しい人、子育ての価値観から続けていくのが精神的に難しい人、会社を辞めてやりたい仕事が明確にある人(転職先が決まっている人)は別ですが、そうでなければ、仕事を辞めずに続ける方法はないか、最後まで模索していきたいものです。

精神的に追い込まれるのは、充実させようと思う証拠

 過去の自分を振り返ると、精神的に追い込まれてしまった経験はありませんか。学生時代を思い出してみても、受験直前の勉強や部活の試合前などは、時間と自分の能力との戦いになったのではないでしょうか。

 苦しく、辛い状況というのは、誰でも通る道。

 逆に、子育てと仕事と家事を抱えていて、追い込まれないほうが珍しいといってもいいかもしれません。精神的に追い込まれてしまうのは「子育ても仕事も家事も充実させよう」と向上心があることの証拠ともいえます。

 どれも充実させようと思うと時間が必要になり、その時間はどうしても限られてしまうため、うまく回らない気がします。その場合は、目標を数段階下げてみませんか。

 仕事も育児も家事も高い目標を立てず、ある程度の目標がクリアできたら「よくやった!」と自分を褒めてあげる。この積み重ねで、少しずつ前に進めるかもしれません。