3.収入目的タイプの場合

 働く目的の3つのタイプのうち、3つ目が「生活レベルを上げる収入目的」というタイプです。夫の収入が少ない、または家を買うために正社員のほうが住宅ローンを組みやすいなど、生活費を得るために働き続けるケースです。このケースでは、会社では指示通りの業務をこなしていきますが、仕事のための保育料や家事に関する経費がかさむことは、避けなければなりません。

大きな給与アップより、細く長く安定収入を見込む(収入目的タイプ)

 つまり、収入目的で働く場合は、少しでも出費を抑えるために、プライベート面で自分でできることは極力こなす体制づくりが重要になります。有給休暇はフル活用し、まとめて家事を行うなど、会社の制度をうまく使いながら、家庭中心のワーキングスタイルになります。時短なしのフルタイムを選んで収入を増やすか、時短制度を使って育児・家事とのバランスを図る場合があります。将来のビジョンとしても、大きく給与アップを期待するというよりは、細く長く安定収入を見込み、収支面で少しでも黒字幅を大きくするよう努力するというスタイルになるでしょう。

子育て、仕事の両面から、働き方を考えていこう

 自分がどのタイプでいくのか迷ったら、仕事や子どもとの関係について考えてみましょう。仕事を従来と変わりなくしていきたいのであれば、従来通りの仕事の仕方を選ぶといいでしょう。できるだけ子どもとの時間も取りたいのであれば、残業なしのフルタイムがおすすめです。

 子どもの体が弱かったり、熱を出したときのヘルプを頼めなかったり、自宅と職場が遠いなどの理由の他、子どもとの時間を最優先にしたいという場合は、時短を活用するといいでしょう。仕事も子育ても、“質”が大切です。会社に長くいれば仕事ができるわけでもないですし、子どもと長い時間一緒にいれば、子育てが完璧になるわけでもありません。子どもがどのように育ってほしいかをイメージして、そのうえで仕事のスタイルを選んでいくといいかもしれません。時短を取った場合は、時短からフルタイムに戻る時期は、仕事の関係もありますので上司と相談しましょう。

働き続けるために「スパイラルキャリアアップ」という道も

 ずっと働き続けたい場合は、「スパイラルキャリアアップ」という考え方も大切です。

 子育てがあると、常に右肩上がりのキャリアアップをしていくのは難しいもの。一時的にキャリアダウンしてしまう場合もあるでしょう。子どもが小さいうちは、子どもとの時間を多めに取り、少しずつ右肩上がりにキャリアアップをしていく「スパイラル」でキャリアアップしていくのも一案です。

 いずれにせよ、子どものことを大切にしたうえで、家族が生活に慣れるか、周囲のサポートは整っているか、会社の雰囲気はどうかなど、様々な状況を総合的に判断して、期待に応えた活躍ができるよう、体制決めをしていきましょう。

(ライター/西山美紀)