貯蓄は減るが将来への投資と思ってケチらない(キャリア向上タイプ)

 お金もかかり、プライベートの時間が削られるなか、必要になるのが自分自身の”ワーキングスタイル決め“です。「よほどのことがない限り、プライベートは仕事に持ち込まない」とするのか、「基本的にはプライベート優先で、時には会社は休むようにする」のか。キャリア重視となると、どうしても前者を選ぶケースが多いでしょう。つまり、今までと同じように、会社や仕事の都合に合わせて、働ける体制を整えることが重要です。

 ベビーシッター代や、両親と同居するための引っ越し費用やリフォーム費用、時間節約のためのタクシー代、睡眠不足を補うためのグリーン料金、掃除を頼む費用、食事がスムーズに作れる家電費用や食材費用など、キャリアを継続しつつ子どもをきちんと育てるには、もろもろの経費がかかります。

 とはいっても、キャリア重視の人の強みは、キャリアの継続です。仕事もほぼ現職復帰となり、資格や等級、役職も大きく変わることはないでしょう。給与が大きくダウンすることもなく、これまでとほぼ同じくらいの収入が見込めます。ただし、子どもが小さいうちはベビーシッターやお手伝いさんなどの費用のほか、引っ越しやリフォームなどで出費が増え、貯蓄は減るでしょう。これは働くための投資としてケチらないようにしましょう。いずれ子育てのための費用がかからなくなり、将来的にポストやキャリア、さらなる収入の上昇を期待できます。

2.社会とのつながりタイプの場合

 働く目的の3つのタイプのうち、2つ目が「社会と関わりを持ちたい」タイプです。与えられた仕事はきちんとするけれど、家庭に影響のない範囲にとどめ、育児や家事もできるだけ人の手を借りずに自分でこなしたいというケースです。具体的には、「今の会社や仕事にあまりこだわりはないけど、社会と接点を持つことは楽しいし、自分のためになる」と考える人や、「時間内の仕事はしっかりこなすけど、毎日定時退社で、子どもの健診や病気のときは、有休をしっかり取って休みたい」などと考えている人です。

 タイプ1の人と違って、時間や場所に制限付きの働き方をすることになります。「すみませんが、お迎えがあるので残業できません」「子どもがいるので宿泊の出張はできません」「子どもが風邪をひいたのでしばらく休みます」という場合が考えられます。残業なしのフルタイムか、時短制度を使う方も多いでしょう。仕事を通してキャリア磨きをするのではなく、仕事をすること自体に幸せを感じながらも、家庭中心のスケジュールを組んでいくタイプです。

揺らがないよう「働く目的」をしっかり意識しておく(社会とのつながりタイプ)

 このタイプは、家事や育児に関して、保育園以外に人の手を借りず、少しでも自分でこなすことでお金はかからないので、経済的とも言えます。ただ、ワーキングウーマンとしても、母としても妻としても、中途半端になってしまうことが考えられます。保育園以外に子どもを預ける手段を持たず、いざというときに仕事と子育てとの間で、自分一人でジレンマに陥り八方ふさがりになってしまう可能性があります。

 早朝から夕刻まで会社に拘束される上に、子育てがあります。家事を一人で背負うことはなかなかきつくなります。子育てについても、平日習い事に連れていくのも難しく、近所のお子さんが通っている幼稚園に通わせることも難しいかもしれません。「私は、いったい何のために働いているんだろう」と思ってしまう場合があるため、働く目的を明確にして、それを忘れないように心がけたいものです。

 また、契約社員や派遣社員だけでなく、たとえ正社員で働いていても、誰でもこなせる仕事であれば、会社にとって不要な人材になってしまうことも考えられます。ずっと働いていくためにも、仕事に対して常に責任感を持ち、結果を残していくようにしたいものです。

 次ページでは「収入目的タイプ」についてお話しします。