大黒谷さんは「bijurei」「a.k.a」などのレストランで料理長を務めた後、音楽プロデューサー・小林武史さんが展開するレストラン「kurkku cafe」でディレクターとして活躍していた料理のプロ。現在では鎌倉に居を構えて和食を中心とした料理教室を開催するほか、レシピ開発などで幅広く活動。青山・ワタリウム美術館で「味噌作り」「和菓子作り」などをテーマにした小学生向けワークショップも実施してきた。4年前に長女を出産し母となってからは、子どもに向けた情報発信により関心が向くように。同郷で友人の小竹さんと意気投合し、企画を練り上げた。
二人はこの秋に家庭での和食をつくる楽しみを伝えるサービス「にほんのごはん」を立ち上げたばかり。幅広い層に向けて、「和食の基本」に触れられる体験イベントを企画・運営する計画を進めている。中でも二人が重要と考えているのが「子ども達」に向けたメッセージだという。
子どもの味覚は敏感 “本物”を知るとママも変わる
「和食は日本の風土に合った旬の食材を使い、栄養豊かな食卓をつくるものですが、『難しそう』『手間がかかりそう』と敬遠されがちです。大人の和食離れが進めば、子どもの和食離れも当然進む。その危機感が強くありました。逆に、子どもが“本物”を知って親に働きかければ、親も変わる可能性が高いですよね。『ママ、おいしかったから作ってほしい!』と言われたら、親はきっと動きますから。
子どもの味覚は敏感なので、一度でも“本物”に触れる体験ができれば、舌の成長にも大きく影響すると思います」(大黒谷さん)
食生活が変わった産後のほうが自分の体調がいい
一方、クックパッドで「主婦向け」のレシピ情報発信に携わってきた小竹さんは、2009年の長女出産を機に「子どもの食」に対する関心が急激に高まったそう。
「子どもが生まれる前は、はやりのレストランで食べ歩きを楽しむ生活でしたが、わが子を産んでから『私が与えた食べ物が、この子のすべてになる』と意識が変わり、離乳食教室に通いました。子どもの食事に気を付けると、自然と大人の食事も改善して、いつの間にか産前より健康で元気になっているのを実感したんです」(小竹さん)
毎日の献立で基本にしているのはお味噌汁とご飯
「子どもの食」についてDUAL読者から挙がるのは「きちんとしたものを食べさせたいけれど、手間がかけられない…」という悩み。ワーキングマザーである二人に、日ごろ実践している“食育”の心がけについて聞いてみた。