前回記事「中学受験 塾のクラスを上げるなら、新小6春までに」では、6年生の春休みの“心構え”についてお伝えしました。今回は、この先、本格的な受験勉強を始めていく4・5年生の春休みの過ごし方について、前回に続き中学受験個別指導教室SS-1代表の小川大介先生にお聞きしました。

【新小4】復習が中心だが、SAPIXだけは先へ進む

 下の表は、大手中学受験塾の新小4の春期講習の内容をまとめたものです。まずは、各塾の春期講習の特徴を小川先生に解説してもらいましょう。

 「大手中学受験塾では、小3の2月から新小学4年生の受験カリキュラムがスタートしますが、その約1カ月半後の春休みは、それまでに学習した内容をおさらいする期間です。塾も新入塾生をさらに集めたいときなので、4月の入塾組が同時にスタートできるようにするため、復習中心で進められることが普通です」

 では、この春期講習には参加したほうがよいのでしょうか?

 「日能研の春季講習では、算数は四則計算、理科は昆虫、社会は地図など、比較的簡単な単元をおさらいします。既に理解できている子にとっては物足りない内容なので、必ずしも春期講習を受ける必要はありません。その代わりに『算数オリンピック』の問題集などを使って力試しをするのもよいでしょう」

(* 「算数オリンピック」…小学生の才能発現の場となることを目的に開催される算数のイベント)

 「四谷大塚と早稲田アカデミーも復習が中心となりますが、4月以降に学習することに少し触れるので、できれば受講したほうがよいでしょう」

 「一方、SAPIXは、2~3月の平常授業の復習はせず、新しい内容の学習を進めます。つまり、復習は家庭学習に任せ、全塾生が2月にスタートを切ることを前提にして進んでいくのです。例えば、算数では数の性質、平面図形、数列など、今後の学習で重要になってくる単元の入口を学習していきます。春期講習で感覚的な理解を得ておき、その後の平常授業で本格的に学んでいくというわけです」

 このように、中学受験の勉強が始まってからわずか1カ月半の間でも、各塾の進め方の違いが見えてきます。

 では、実際に勉強している子ども達の様子はどうなのでしょうか?

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【第1章】 わが子に中学受験をさせるか否か?
【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
【第3章】 受験生 普段の勉強と、長期休みの戦略的な活用方法
【第4章】 男女御三家と早慶付属校の最新問題傾向
【第5章】 2015年度 中学受験ニュース
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