【新小4】春休み中の“勉強のやらせ過ぎ”には要注意

 「塾に入ったばかりの3年生の2月は、塾の生活ペースに慣らす期間だと思ってよいでしょう。全体の6割程度は、3月に入ってもまだペースが定まらないものです」

 「4月になると本格的な学習が始まります。ここで好スタートを切れるかどうかは、実は春休みの過ごし方にかかっているのです。それまでに習ったものの中に苦手な分野があれば、春休み期間中に克服しておいたほうがよいでしょう。ここで苦手分野をなくしておけば、4月から自信を持ってスタートすることができます」

 「一方で注意してほしいのが“勉強のやらせ過ぎ”です。春休み中は学校の宿題がなく、塾の宿題の量もそれほど多くは出されません。そこでありがちなのが、とりあえず市販のドリルなどをあれこれやらせてしまうケースです。手当たり次第、市販のドリルをやらせても塾の勉強にはつながりませんし、ただ闇雲にやらせてると、勉強嫌いな子にしてしまう恐れもあります」

 「受験勉強は長期戦です。スタートの段階から“勉強はつらいもの”と思わせてしまったら、その後の継続は難しいでしょう。この時期は、家庭学習のやり方を間違えないことが大事です」

【新小5】復習に徹する日能研。苦手分野が多い子は仕切り直しのチャンス

 では次に、小学5年生の春期講習の内容を見ていきましょう。

 「SAPIXは4年生後半で学んだ内容を復習しつつ、先へ進んでいきます。例えば、算数なら平面・立体図形、数に関する問題など、4年生で習った単元の応用へと入っていきます」

 「四谷大塚と早稲田アカデミーは、4年生で学んだ内容のおさらいと4月以降の先取り学習をします。例えば、算数は食塩水や立体図形など、夏以降から始まる重要単元である割合の学習が始まります」

 「日能研では、復習に徹します。4年生の後半ごろから成績が伸び悩んでいた子は、仕切り直しのチャンスです。苦手分野をしっかり克服し、4月から気持ちを新たに頑張っていきましょう。逆に成績上位で、家庭学習のペースを落とさず、自分でテキストの問題が解ける子であれば、春期講習は受講しなくてもよいでしょう」

 「日能研の講習を受けるかどうか迷ったら、まずは塾へ相談してみてください。ただ『春期講習を受けたほうがよいでしょうか?』と聞けば、恐らく『受けたほうがいいですよ』と言われるでしょう。ですから、『春期講習に参加した場合、どのような効果が出るのでしょうか?』『何月のテストにその効果が出るものでしょうか?』などと具体的に聞いてみましょう。その答えによって、春期講習が意味のあるものかどうかが見えてくるはずです」

 春休みは、新学年の本格的な学習が始まる4月に、好スタートを切るための準備期間です。ここまで順調にこられた子も、つまずいている子も、しっかり仕切り直し、新たな気持ちで4月を迎えられるようにしましょう。

小川大介先生
小川大介先生

(撮影/鈴木愛子)