3人の子育てをしながら、ウェブサイトの企画・制作会社への転職や個人事業主としての起業経験を持つ毛利優子さん。「時間・場所・年齢・ブランク・経験などの制約があったとしても、あきらめずに選択肢を広げていけば、好きな仕事を手に入れる方法はあります」と広く発信しています。今回は結婚・出産後のキャリアトレーニングがテーマです。再就職に向けた必要な準備や、心構えを紹介します。
(※本連載は書籍『働きたいママの就活マニュアル(自由国民社)』よりお届けします)

ライフプランを作成しよう

 女性は、結婚や出産・育児など家庭の状況が、キャリアに大きく影響します。そのため、仕事も家庭も大切にするためには、長期的なスパンで戦略を練ることがとても大切です。

 その時におすすめなのが、「ライフプラン」の作成です。

 縦軸に家族の名前、横軸に時間軸を書いて、これからの30年間を想像してみましょう。ライフプラン表というと、よく生命保険などの資料や家計を考えるときに利用しますが、仕事探しやキャリアを考える上でも非常に役立ちます。

 ライフプランを書いていくと、今はよちよち歩きしている子どもも小学生になり、部活動や受験勉強に忙しくなったり、やがて家を巣立つことを考えさせられます。

 「◯年後にはこれくらいのお金が必要になりそう……」
 「もしかしたら育児と介護が重なる可能性もあるかも!」

 忙しい日々に追われていると、つい目先のことに目を奪われがちですが、人生は長期戦です。30年という長いスパンで自分と家族のことを考えることで、新しい気付きがあるでしょう。

 「子どもが小学校に入ったら働こうと思っていたけれど、早めに就職活動を開始した方が良さそう」
 「子育てが一段落したら、好きなことをしようと思っていただけれど、その頃には介護が始まるかもしれない」
 「先延ばしせずに、今から少しずつ好きなことをやる時間をつくろう」

 未来のことは誰にもわかりませんが、どのような未来をつくりたいかイメージすることはできます。

 短期的な視野で物ごとを考えるほど、理想と現実のギャップに落ち込んでしまったり、逆に、途中のプロセスを省いてゴールに行こうと急いで空回りしてしまったりします。

 「大きくなったら何になりたい?」

 子どもに投げかける定番の質問ですが、自分自身に対しても質問する時間として、ぜひライフプランを作る時間をとってみてくださいね。