冬休みが終わり、いよいよ小学6年生の受験生にとっては入試がもう目の前です。「これまで頑張ってきた結果が、たった一度の入試で決まってしまうと思うと、穏やかな気持ちではいられないと思いますが、親御さんが不安になればなるほど、その気持ちは子どもにも伝わってしまいます」と話すのは、本連載でもお馴染みの西村則康先生。では、受験直前のこの時期に、家庭では何を心がけたらよいのでしょうか? 西村先生が解説します。

最後の武器になるのは、「タフな体力」と「おおらかな気持ち」

西村則康先生
西村則康先生

 小3の2月からスタートした中学受験対策。「3年なんて長いわ~」なんて思っていたら、気がつくと入試直前! まだ、あれもこれもやらせたいのに……。そんな心境の親御さんは多いことでしょう。

 けれども、この時期はもはやジタバタしても仕方がありません。西村先生によると、入試直前は何か新しいことを「やる」のではなく、今身に付いているものを「整える」ことが大事なのだそうです。

 入試直前期に「整える」ことは、次の4つです。

1) 体調
2) 心
3) 学力
4) 得点力

 この4つを上から詳しく説明していきましょう。

 「どんなに勉強を頑張ってきても、受験当日の体調が悪ければ、今ある実力を最大限に発揮できません。入試直前はやり残していることが気になり、つい夜遅くまで勉強してしまいがちですが、この時期は早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう」

 「また、風邪やインフルエンザが流行する時期でもあるので、外から帰ったら『うがい・手洗い』をするのはもちろん、日ごろからマスクをするなど、体調管理には十分に気をつけましょう」

 おそらくこれらのことは、どこのご家庭でも実践していると思います。

 一方、意外と見落としがちなのが、運動です。勉強、勉強の日々で、気がついたら3~4kgも太っていた、というのは受験生の間ではよくある話です。

 「実は、肥満は受験には大敵。肥満になると、血液の流れが悪くなり、脳の働きにも影響が出てくるからです。『最近、運動不足だな』と感じたら、無理のない範囲で体を動かす時間を作りましょう。例えば、マンションに住んでいるお子さんなら、エレベーターを使わずに階段を使うようにしてください。平地で約20分早歩きをするだけでも効果があります」

 また、入試直前期になると、緊張感が高まり、呼吸が速くなってしまう子がいるそうです。

 「そういうお子さんには腹式呼吸を意識させましょう。すると、呼吸のペースが下がり、落ち着くことができます」

 一方で、忘れてはいけないのが、心のケアです。

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「受験初心者から本番直前の6年生まで」 DUALの本
『中学受験 基本のキ!』 発売!
著者/西村則康・小川大介
価格/1620円(税込み)

【第1章】 わが子に中学受験をさせるか否か?
【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
【第3章】 受験生 普段の勉強と、長期休みの戦略的な活用方法
【第4章】 男女御三家と早慶付属校の最新問題傾向
【第5章】 2015年度 中学受験ニュース
【巻末付録】 必見!プロがすすめる併願パターン

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