こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。今回は、またまた年収のお話です。第14回(「男女の年収格差は最大252万円にもなる」)では年収の性差・年齢差、第22回(「お金持ちエリアに住むと、子どもの学力が上がる?」)では地域差を見ましたが、今度は職業別の年収を出してみようと思います。お子さんと将来の職業について語らう際、話のネタにでもしていただければ幸いです。
医者は1154万円、高校教員は706万円
2014年の厚労省『賃金構造基本統計調査』から、同年6月の給与月額(諸手当込み)と、前年(2013年)の年間賞与額を職業別に知ることができます。短時間労働者を除く、一般労働者のデータです。
私は、給与月額の12倍に年間賞与額を足して、それぞれの職業の平均年収を推し量ってみました。計算についてイメージしていただくため、6つの職業の例を示します。表1をご覧ください。
医師は月収89.3万円、年間賞与82.8万円です。ボーナスの額が少ないのは、開業医(自営業)が多いためです。これを基に推定年収を出すと、(89.3×12)+82.8=1154万円となります。さすが高給ですねえ。弁護士は1036万円、高校教員は706万円です。教員は多くが公務員なので、ボーナスの比重が高くなっています(年収全体の4分の1)。
残りの3つ(保育士、介護職員、バス運転手)は、少子高齢化に伴い需要が高まっている職業ですが、先の3職業に比して年収が段違いに低くなっています。保育士は317万円、介護職員は309万円です。これらの職業の薄給はよく指摘されますが、官庁統計から出される年収額にもそれははっきりと表れています。