小4の冬休みは転塾を検討するターニングポイント

 「授業の受け方を修正しても、勉強が分からないという子は、初めから知識不足で、先生が何を話しているかが分からない子、つまり塾とのレベルが合っていない子です」

 「その場合は、早めの転塾を検討しましょう。よく親御さんは『本人のやる気次第ではついていけるはずだ』と思い込んでしまいますが、気持ちの問題はさておき、学習能力があるかどうかの判断こそ、冷静に下してほしいと思います」

 「よくあるケースは、SAPIXの授業についていけない子です。SAPIXは、中学受験の最難関校と言われる男子御三家・女子御三家への合格者を多く出す塾です。そのため、授業のカリキュラムも上位の子に焦点を当てて進めています。それはどの塾もそうなのですが、それが最も顕著に表れているのがSAPIXなのです。ですから、上位校を狙わないのであれば、この塾にこだわる必要はありません」

 では、どの塾に転塾をすればよいのでしょうか? 各塾の特徴はこちらをご参照ください(大手塾にこだわるなら「こんなに違う! 大手中学受験塾の中身を解剖」、個別指導塾を検討するなら「大手塾に行かなくても中学受験はできる?」)。

 小川先生は、転塾には次のステップを踏んでいくとよい、と言います。

【転塾のステップ】
① 子どもの勉強がうまくいっていないことに気づく
② 何が、どううまくいっていないのか、現状を分析する
③ 「こうすればうまくいく」という望ましい状態を考える。そのとき、本人と親ができることを書き出し、逆にできないことを穴埋めしてくれる塾を探す
④ 転塾先の塾が子どもが通える場所にあるか、保護者が送迎できるかどうかを検討する(自宅から30分圏内が目安)
⑤ いくつかの候補を挙げ、見学する

 「このステップを丁寧に踏んでいくには約1カ月かかるので、転塾を考えているのなら、なるべく早めに検討しましょう」

 「4年生の冬は、転塾を検討するターニングポイントです。5年生になると、勉強がさらに難しくなるうえ、塾によって習う単元の順番も変わってきてしまい、後々困ります。転塾をするなら4年生の冬までがベストでしょう

(撮影/鈴木愛子、図デザイン/Coccoto 柳沼恭子)