「中学受験その前に 小4からの放課後はどんな感じ?」では、大手4大塾の時間割や学習量について説明しました。今回は、平日&週末の家庭学習の取り組み方について、中学受験情報局・主任相談員の小川大介先生にアドバイスをいただきました。

(日経DUAL特選シリーズ/2016年1月収録記事を再掲載します)

毎日の学習に不可欠なのは、十分な睡眠と楽しい気持ち

 大手塾に入塾すると、小学4年生で週2~3日、5年生で週3日、6年生になると週4~5日塾へ通うことになります。しかし、「塾に行けば家では勉強をしなくていい」というわけではもちろんなく、塾がある日もない日も家庭学習は必要です。

 では、塾がある日とない日では、それぞれどのような学習をすればよいのでしょうか?

 その前に「理想の1週間の過ごし方」を小川先生に聞いてみました。

 「受験勉強をするに当たっての理想的な1週間とは、1週間を終えたときに、その前の週よりも知識が増え、理解が増している状態になっていることです。そのためには、まずはしっかり睡眠を取ること。そして、頭がちゃんと働く生活リズムにしておくことです」

 「勉強は、頭がちゃんと働き、それに加えて“心”が乗っていないと効果が出ません。心が乗っているというのは、楽しくてやる気がある状態のことです」

1週間の“学びのサイクル”を意識する

 「受験勉強には“学びのサイクル”というものがあります。まず、1週間の目標を立てて授業に臨み、それを家で振り返って、演習で理解を深め、テストで結果を出す、というサイクルです」

 「中学受験の勉強は約3年と期間が長く、塾へ通う生活が日常化すると、通っているだけで満足してしまいがちです。けれどもそれでは知識は定着しません。塾の授業を受ける前には『今日はこの解き方をしっかり聞いてこよう』と目標を立て、気持ちを高めること。そのためにカリキュラムを毎週点検し、『今日の授業では何を習うのか』を頭に入れておく必要があります」

 「しっかり予習をするのは大変ですし、必要ありません。今日習う単元のページをパラパラとめくるだけでいいのです。それを一度見ているのと見ていないのとでは、授業の理解度も違ってきます」

 では、塾に行った日の振り返りはどのように行えばよいのでしょうか?

小川大介先生
小川大介先生