リスクを取る強さは自分にはないと思っていた
日経DUAL編集部 ショウくんとの日本縦断の旅に出る前から、インテルを辞めようと決めていたのですか?
チャールズ・スコットさん(以下、チャールズ) 旅行を計画していた当初、インテルを辞めることは全く考えていませんでした。頭にあったのは、「息子と密な時間を共有できるような冒険をしたい」ということだけでした。
そもそもこの旅をする前の私にとって、冒険すること自体が難しかったのです。それまでも、アイアンマン・トライアスロンなど肉体的な限界には挑戦していました。でも仕事に関しては、どちらかというとフォロワーで、会社という組織の中でうまくやろうとしていました。上司の指示に従い、会社の戦略に沿うように自分の目標を設定する、という具合に。
今の私は、誰からの命令も受けていません。自分で大事だと思うことをやって、それをいかにうまくやるかを考え、自分の人生を完全にコントロールしているのです。ある意味、リスキーな生き方です。以前の私は、そんなリスキーな生き方をする強さは、自分にはないと考えていましたし、怖くもありました。
でも日本縦断の旅を終えて、自分の中で何かが変わっているのを感じ、その変化を見続けたいと思ったのです。
チャールズ・スコットさん
次ページから読める内容
- 妻の安定した収入があったから選べた冒険的人生
- 会社を辞めるまでの2年、じっくり話し合った
- 夫婦の関係は常に変わり続ける
- すべての役割が集まって100%の私になる
- 「何かが違う」という思いに注目する
- たいていの子どもは自然の中で輝き出す
- 子どもが好きなことをして同じ時間をシェアするのも“冒険”
- 人生のそれぞれのステージで、すてきな思い出をつくる方法を考えたい