ワンオペや働き方改革が話題となった2017年。2018年は、その先へ進化、変革していく1年にしていきたいもの。日経DUALは、取材を通じて出会う最近のDUAL夫婦は、かつてのように「仕事も家庭も全力!」という人たちばかりではないことに気付きました。どこか肩の力が抜けていて、自分が望むライフスタイルを実現しながら楽しく仕事と家庭を両立できている。そんな人たちを日経DUALでは「DUAL2.0世代」と定義しました。

 第1回では、「そもそもDUAL2.0世代とは?」「それまでと何が違うのか?」という点について、イクメンとして知られるお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんと、仕事と育児の関係性についての著書がある、リサーチャー・研究者の浜屋祐子さんにお話を伺いながら、ご紹介しました。第2回は、実際に1.0世代2名、2.0世代2名の計4名のパパとママを集めて座談会を実施。家事・育児のシェア比率や働き方、夫婦関係などについて、赤裸々に語ってもらいました。

 そこで分かったことは、働き方や環境、ライフステージは様々ながら、1.0世代と2.0世代の大きな違いは、夫婦間の「コミュニケーション量」にあるということでした。ワンオペ気味で頑張り続けている1.0世代と、ゆとりを持って家庭と仕事を両立する2.0世代、それぞれどのようにパートナーとコミュニケーションをとっているのでしょうか?

【特集 DUAL夫婦2.0世代】
(1) 仕事も家庭も軽やかに両立「DUAL2.0世代」
(2) パートナーとのコミュニケーションに大きな違い ←今回はココ
(3) 共働き育児に無理解の会社を変えるか、辞めるか
(4) 「立っている者は親でも使え」家庭外のリソース活用
(5) 現在のライフスタイルに最適化した働き方を

1.0世代

Aさん(40代前半ママ):千葉県在住。化学系メーカーの経営企画部で時短勤務中(9時半~16時半)。会社が移転したことで自宅から遠くなり、片道2時間近くかけて通勤している。6歳と4歳のママ。
家事・育児分担(自己申告、以下同)=夫1:妻9→(夫転職後)夫3:妻7

Bさん(30代後半ママ):東京都在住。14年間勤務したIT系企業を昨年秋に退社。カフェのキッチンで週2日、前の職場で週2日、計週4日パート勤務中。もともと同じ会社だった夫は営業職で連日深夜残業のため、平日はほぼ母子家庭状態という5歳のママ。
家事・育児分担=夫1:妻9

2.0世代

Cさん(30代後半パパ):北海道在住。一昨年、家族で東京から札幌へ移住。現在はフリーランスで経営コンサルを手掛けながら、札幌で会社員としても勤務している。妻は東京のIT企業の社員でリモートワーク中。月に数回、夫婦で交互に東京へ出張する生活を送る。7歳と1歳の姉妹のパパ。
家事・育児分担=夫4:妻6

Dさん(30代後半ママ);東京都在住。社団法人で総務・経理を担当、9 時半~16時半の時短勤務中。ネットワークエンジニアの夫も残業をしない主義で、毎晩18時半には家族で夕食をとるのが日課。7歳と2歳の姉妹のママ。
家事・育児分担=夫5:妻5

1.0世代夫の家事は「洗濯物干し」のみ。取り込みはできない

日経DUAL編集部(以下、――) 皆さん、お忙しい中お仕事の都合を調整してお集まりいただきありがとうございます(座談会は平日午後に実施)。昨年はワンオペという言葉が話題になるなど、共働き家庭における家事・育児の分担に注目が集まりました。皆さんは、実際にパートナーとどのようにシェアされていますか?

Aさん 夫の家事分担はゴミ捨てと、洗濯物干しくらいでしょうか。洗濯物も干すだけで、取り込みはできません。お願いすれば、土日に子どもの習い事の送迎はやってくれます。それ以上はとてもお願いできそうにないですね。

Bさん 夫とはもともと会社の同僚でしたが、彼は営業職。アポや会議が多くて、帰宅は毎日“午前様”です。手伝うも何も、いないから頼みようがないですよね(苦笑)。土日も子どもと遊ぶくらいで、唯一やってくれる家事はAさんの旦那さんと同じで、洗濯物を干すことですね。同じく、取り込みはできません(笑)。

―― 普段、夫婦で話をする時間はありますか?

Bさん 平日は私や子どもが寝ている間に帰ってきているので、全くないです。朝にチラッと顔を合わせる程度ですね。用事があって昼間LINEで連絡しても既読にすらなりません。何がそんなに忙しいんでしょうね?

Aさん うちは、去年の春に夫が転職してからは、家族で夕食をとる機会も夫婦の会話も多少は増えました。けれど、この前「会社の子に、どうやったらAさんのご家庭みたいに仲良くできるんですか?って言われちゃったよ~」なんて、のんきに話してきたので、「私だって言いたいことはたくさんあるけど、我慢してるだけだからね」と返したら、その日からしばらく敬語になりましたね(笑)。

Bさん うちも、私のストレスがたまりにたまったので、家事を全部リストアップして「あなたがやっているのは、これとこれだけ! ずっとこのままなの!?」と詰め寄ったら、敬語になりました(苦笑)。それ以来、食洗機に食器を入れてくれたり、少しずつできることからやってくれてはいますね。

写真はイメージです
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<次のページからの内容>
● 「私が入院でもしない限り、急なお迎え対応はやってもらえない」
● 家族で一緒にごはんを食べることに重きを置く〝2.0夫”
● 家事・育児への参加の意志はあるのだけれど…
● 「夫が20時台までに帰宅できるかどうかが鍵」(浜屋)
● 「パートナーとのコミュニケーションはもはや義務」(中田)