シートフローリングと突き板フローリングの価格差は20万円前後

 性能面やデザイン面で進化してきた床材だが、一方で印刷技術の向上により、前述のように木目模様をプリントしたシートを貼ったシートフローリングが大きな比率を占めてきているのも事実だ。三井不動産レジデンシャル市場開発部の町田俊介さんは、その理由について次のように話してくれた。

 「当社では2007年に初めてシートフローリングを採用し、今では7~8割の分譲マンションで標準仕様としています。一部のマンションでは突き板とシートの2種類のフローリングから選べるようにしたところ、シートが選ばれるケースが多かったですね。シートだと子どもが汚しても水拭きすればすぐに落とせるというメンテナンス性の高さや、傷が付きにくいといった耐久性の高さが好まれるようです」

 シートフローリングは年月がたっても色褪せしにくいという特徴もある。一方の突き板や挽き板フローリングは無垢材と同様、年月とともに変色することは避けられない。だが、逆にそれが木の持つ味として好まれる場合もあるだろう。

 コストの違いも見逃せない。無垢材や挽き板フローリングは高価なため、なかなか手が出ないケースもある。だが、シートと突き板の差は「1戸当たり20万円前後の差が一般的」(西村さん)という。シートフローリングは見た目が本物の木と変らないとも言われるが、比べて見るとやはり違いが感じられる。どちらのメリットを選ぶかは、ショールームなどで実物を見てから決めてもよさそうだ。

突き板フローリングは表面が天然の木材なので、光の当たり方や視線の角度によっても表情や風合いが変化する
突き板フローリングは表面が天然の木材なので、光の当たり方や視線の角度によっても表情や風合いが変化する

(文/大森広司、写真/菅野勝男)