女性側には「かわいい下着を着ける」という意見も多く見られましたが、男性からの言及はなし。そこもまた女心を男性は理解しないといけないポイントかもしれません。また、男性の中にはこんな意見も。

●「いつでもキスできるように家にいるときは歯磨きをまめにします」(44歳男性、食品、医薬、化粧品、研究・開発)

●「妻からもらった香水を欠かさずにつけています」(31歳男性、飲食店、経営者・役員)

 このように体臭や口臭を気にする傾向もありましたが、同じくアンケートの結果で女性が「パートナーに直してほしいところ」では、「体臭」と答えた女性がわずか8.4%にとどまり、「家事・育児への協力度」(48.0%)、「普段のコミュニケーション」(48.3%)であることとは、少しずれがある模様。これももちろん男女逆とはいえ、自分としてできる努力をしようという意気込みだと捉えれば、悪いことではないですよね。

予約制にして二人で楽しむ

 断り方で工夫している読者もいました。読者のTさん(35歳女性、マスコミ、編集・編成・制作)は、誘う夫を「お客さん」、自分を「店の店長」という設定にして、夫婦生活のやり取りに笑いの要素を取り入れているそうです。

●「夫から、夫婦の営みの『予約』が入ると、当日までは『おっくうだなぁ』というのがホンネ。でも心の準備は非常に重要だと考えています。『予約』当日は子どもが寝静まるのを見計らって一人で主人とのステキな思い出やらなんやらを頭の中でかき集めて気分を高めます(笑)。どうしても誘いを断りたいときは『あいにく本日は予約がいっぱいですが、来週土曜日なら空いています』とすればうまくいく。とことんバカになるのがいいみたいです」

もっと深刻な人はどうしたら…?

 色々な夫婦の努力している話を聞いていると、自分達夫婦でもできることはないかと、前向きに考える人もいると思いますが、一方で、深刻な状況にあって、素直に受け入れられないという人もいることはアンケートでもわかっています。

 そんな方に向けて、これからも夫婦関係を良くしていくためのアドバイスを、今回話を聞いた専門家の方々に聞きました。ラブライフアドバイザーのオリビアさんが提案するのがこちら。

■独身時代によく行ったデートコースを巡ってみる

 「独身時代によく行ったデートコースを巡るのはオススメです。パートナーのことを家族としてしか見られなくなってしまったという人もいると思いますが、その前、主に独身時代の気持ちを思い出すきっかけになることもあると思います」とのこと。

 一方、パートナーシップ&ペアレンティングアドバイザーの林田香織さんは自身の経験を交えてこんなことを教えてくれました。

■手を握る、たったそれだけでも夫婦間は温かい

 「一時期、私が夜のコミュニケーションを取れる状況ではなかったときに、夫が私の手を握って寝てくれました。これは本当に温かかったです。ホッとできました」。林田さん自身も夫婦生活が順風だったというわけではなかったそうですが、そういうときに夫から“手だけつながせて”と提案されたんだとか。実際の行為がなくても、夫婦のスキンシップは取り方があるということを、身をもって感じたそうです。

 最後に、日本性の健康協会の山口いわおさんは、自身の体験も踏まえてこう話します。

■危機的状況は、相手ととにかく話すことで快方に向かう

 「うちの場合は、産後クライシスをきっかけに本当に危機的な状況を迎えてしまった経験があります。それからは、とにかく話し合うことを心がけました。相手の話を聞いて、自分の気持ちを伝える。こうすることで少しずつ解決に向かいました」

 特集を通して、ポイントとなっているのは、「普段からのコミュニケーション」。やはり話し合うことが一番の処方箋になるのでしょう。ただし、今回見てきたように、夫婦の解決方法や努力・工夫の仕方は、夫婦によって違うこともよく分かってきました。夫婦の数だけ、夫婦の営みにも数があります。まさに、ダイバーシティー。自分達夫婦の個性を改めて見つけてみませんか。

(ライター/杉山錠士)