結婚10年目、2児の母であるKさん(37歳)。一人目も二人目も不妊治療をしながらなんとか授かりました。そんなKさん夫婦にとって、ここ10年間の営みは「子づくりのためのもの」でしかなかったという。子どもが欲しいのになかなかできないという葛藤と、夫婦の営みが家事の一部のようにルーティンワークとなった状況に揺れ動く妻の複雑な気持ち。二人目の出産後、つらい不妊治療から解き放たれ、Kさんは何を思うのでしょうか。そこには、普段のママ友・パパ友関係の中で決して吐露することのないリアルな実態がありました。

【共働き家庭の「夫婦生活」白書特集】

共働き夫婦の夜の平均値 セックスレス約6割(第1回)
妻が知らない夫の胸の内 産後に変わる夜の生活 (第2回)
『私が夫としたくなくなったあの日』妻側の言い分(第3回)
二人目が欲しい!『セックスも家事の一部になった』(第4回) ←今回はココ
共働き夫婦の夜の生活に足りない5つのもの(第5回)
驚愕? 共感? 共働き夫婦の夜、涙ぐましい努力(第6回)

働きながら、不妊治療を開始

 夫婦ともに27歳で結婚したKさんは、現在、小学1年生の長女と、保育園に通う1歳の長男との4人暮らし。フリーランスで教育関係の仕事を中心に働き、自分以外代わりのいないという緊張感あふれる多忙な日々を送っています。

 結婚後すぐに子どもを望むも、1年経ってもなかなか妊娠しないことに気づき、不妊治療を開始。半年ほどタイミング療法(排卵日に合わせて営みを持つ方法)に励みましたが、やはりできずに人工授精(採取した精子を直接子宮に注入する方法)へステップを進めました。月に1回、排卵日当日に採取したての夫の精子を持参して通院する必要があるため、当時はまだフルタイムの会社員だったKさんには、通院のたびに半休を取らなくてはならず、仕事の調整は大変なものでした。

 数カ月ほどで無事に妊娠。出産も問題なく、初めての子育てに奮闘する日々が始まりました。母体も順調に回復し、3カ月ほど経って生理も始まったため、妊娠中から封印していた夫婦の営みを解禁したいと思ったKさんでしたが、簡単に元に戻ることはありませんでした。「夫はセックスに対してガツガツしていないタイプで、しなくても平気なよう。反対に私は性に対してオープンで、どちらかというとしたいタイプ。営みに関しては私が積極的に誘うほうだと思います」

 そうは言っても、乳児を抱えての毎日は、夜に積極的なKさんにとってもしんどい時期。子どもの寝かしつけとともに一緒に自分も早く寝てしまうし、頻回の授乳で体はクタクタ。営みの回数は妊娠前に比べると激減してしまいました。

第一子が2歳に。「そろそろ二人目が欲しい!」

 一人目の妊娠で、自分が不妊体質だということがよく分かったというKさん。二人目は早めに子づくりモードに入ります。しかし、そこで立ちはだかるのはさらに妊娠しにくくなっているという現実でした。初めの3~4カ月は自力で頑張ってみるも、時間ばかりが過ぎていく。2歳の長女の存在もあり、そもそも営みがしづらい。そして、二人目も不妊治療をすることを決めたそうです。

【次ページからの内容】

●妊娠のために、排卵日前後は必ず「営む」
●セックスも洗濯や皿洗いと同じように家事の一部に
●不妊治療と両立できず、会社勤めをやめてフリーランスに
●タイミング療法から体外受精へのステップアップ
●10年間、子づくりのためだけの子宮を抱えてきたけれど…
●どちらか一方が風俗や浮気に走るのはさみしい