読者アンケートで興味深かったのは、夫に対する妻達の不満の声でした。「家事・育児・仕事に追われて夫と向き合う余裕がない。会話をすればけんかという状況で営みをする雰囲気ではない」「子どもができて、夫の家事・仕事・育児についての考え方との相違に気がつき、夫への純粋な愛情が減った」という妻側からの回答が目立ちました。
家事・育児に対する非協力的な夫の態度をきっかけにして、夫への信頼感が低くなっている妻。そんな中、いざ夫が営みに誘っても「自分の性欲を満たしたいだけ」と妻に一蹴されてしまう実態。妻のほうは、「夫は自己中心的」というイメージが強くなり、素直に応じる気になれないのかもしれません。
家事や育児をないがしろにした夫には営みは「お預け」
夫婦コミュニケーションの専門家で、数多くの男女の悩み相談を受けているパートナーシップ&ペアレンティングアドバイザーの林田香織さんは次のように指摘します。
「普段、おはようという挨拶も交わさない。目を見て会話をしていなかったり、触れ合ったりすることもない。それなのに夜、子どもが寝静まったら『じゃあ』って。妻からすると、『じゃあ』って言われても…という気持ちになるのだと思います。妻のほうは、仕事を終えて子どもにごはんを食べさせてようやく寝かしつけ、家事・育児もひと段落したときに『もうひと仕事?』『どうしてあの人のケアまでしないといけないの?』という捉え方になってしまいがちなのです」
夫が家事・育児に協力的でない場合には、こうした不満はより加速し、嫌悪感につながってしまうケースも。