ポイント2:被写体と背景との距離をとる
先ほどの例では、被写体の人形は本のすぐ手前にありました。実は、もっと離れたほうが、より背景がぼやけます。
ピントは「面」で合います。つまり、ピントを合わせた面から前後に離れるほど、段々とぼけていきます。従って、基本的には、写っているものに奥行きがあれば、遠くにあるものはそれだけぼけるということになります。
写真の例のように、すぐ被写体のすぐ後ろに背景がある場合は、奥行きがないのであまりぼけません。ピントを合わせるメインの被写体は、背景からなるべく遠くに配置しましょう。
先ほどと同じ、本棚に置いて撮ったとき。絞りはF1.8で開放です。
本棚から1mほど離しただけで、本のタイトルが読めないほどぼけました。
たとえば自宅で子どもを撮影するとき、生活感のある周りの様子をぼかして撮りたい――そんなときは、モデルに背景から離れて立ってもらうようにしましょう。
ポイント3:カメラはぐっと被写体に近づける
近くから撮影するほど、背景はぼやけます。背景から離れて撮影するという、ポイント2と合わせ技で行いましょう。ただし、カメラには接写できる限界があります。ピントが合う範囲で近づきましょう。通常よりも接写できる「マクロモード」を使っても良いでしょう。
ぐっと人形に寄って撮りました。背景だけでなく、ピントを合わせた人形の手前にある鳥までもが、大きくぼけています(前ボケ)。
ポイント2とポイント3を図にまとめてみました。被写体に近づいて撮り、ぼかしたい背景は被写体から遠く離します。