本連載ではこれまで「中学受験は大手塾に通うのが基本」という話をしてきました。また、以前の記事「中学受験 大手塾の入塾テストを甘く見ると後悔する」では、大手塾は成績上位の子に合わせたカリキュラムが組まれていること、上位クラスに入らないと逆転が難しいことなどをお伝えしてきました。

では、その要となる入塾テスト対策は、いつごろから始めるのがベストなのでしょうか? 中学受験の人気サイト『かしこい塾の使い方』でアドバイスをしている西村則康先生に伺いました。

中学受験をする子の5つの基準

 大手中学受験塾の受験カリキュラムは小4に上がる目前の小3・2月からスタートします。その前に各塾では、その子が中学受験の勉強についていけるかどうか、またどのクラスで学習するのがベストかを見極めるための入塾テストを12月の終わりから1月にかけて、数回実施します。

 では、小学3年生の段階で、中学受験の勉強についていけるか否かは何を基準にして判断すればよいのでしょうか? 西村先生に聞いてみました。

 西村先生の話によると、中学受験をする子の基準は次の5つ。

1) 小学校のテストが90点以上安定して取れる子
2) 宿題をきちんとやれる子
3) 長時間椅子に座って、先生の話を聞ける子
4) 毎日の家庭学習の習慣がついている子
5) 親子関係が良好な家庭の子

 「受験する学校の学力や偏差値にかかわらず、中学受験の学習範囲は膨大です。また、中学受験をするなら大手塾に通うことは不可欠。大手塾ではたくさんの宿題が出ます。その宿題をこなしていくには、中学受験を始める前段階から家庭学習の習慣がついていなければ難しいでしょう」

 「また、『中学受験は親の受験』と言われるように、親のサポートがなければ成り立たない受験です。わずか10~12歳の子どもに大量の勉強をやらせるには、それを横で励ましてくれる親の存在がなければ、くじけてしまうでしょう。つまり、良好な親子関係が築かれてこそ、挑戦できるものなのです」

 では、入塾テストの対策はいつごろから、何をすればいいのでしょう? 次ページから聞いていきます。

西村則康先生
西村則康先生