以前の記事「『中学受験の天王山 小6夏休み』“塾別”過ごし方」では、入試本番7カ月前の6年生の夏の過ごし方について紹介しました。今回は秋から冬にかけての過ごし方について、本連載でお馴染みの中学受験に詳しい西村則康先生に聞きました。小学6年生の親御さんはもちろん、小学4~5年生のお子さんをお持ちの親御さんもぜひご一読ください。

夏休み明けは、半数近くの子どもの成績が下がる時期

 「中学受験の天王山」と言われる小6の夏休み。受験生は朝から晩までたくさんの勉強をしてきたことでしょう。その成果を見るのが、8月末または9月の始めに行われる組分けテスト(塾によっては名前が異なります)です。また、9月末には合否判定テストもあり、この夏の頑張りを試すときがやってきます。ところが、西村先生はこのように話します。

 「この夏、あんなにたくさん勉強をしたにもかかわらず、夏休み明けのテストで成績が上がる子は全体の約4割で、半分近くの子は成績が下がってしまうのです」

 その理由として西村先生は次の3つを挙げます。

1) 夏の暑さと勉強量による体力の消耗
2) 頑張り方を間違えてしまった
3) 塾の宿題が多過ぎて、アタフタと勉強してしまった

 「テストは“水もの”なので、時には問題の読み間違いなどで成績が振るわない場合があります。ですから、1回のテスト結果で落ち込む必要はありません。でも、もし8月、9月と続けて成績が下がってしまったら要注意です」

 その主な原因として「夏の勉強のやり方を間違えてしまった」点を西村先生は指摘します。

 「6年生の夏休みは塾の宿題が多く、加えて苦手分野の克服もしていかなければなりません。あれもこれもと手を付け過ぎて、“アタフタ勉強”になってしまったのが原因でしょう。時間に追われて気持ちが焦ると、問題文を最後までじっくり読むことができなくなってしまいます。じっくり読まないからミスが出てしまうのです」

 「そうならないためには、問題を鉛筆や指でなぞりながら読む習慣をつけることが大事です。理科や社会など暗記が必要な教科は、頭の中にある断片的な記憶をまとめ直し、情報を整理しておくとよいでしょう」

 では、「ウチの子は夏休み中にあまり頑張れなかった」という場合、親はどうフォローしてあげればよいのでしょうか?

西村則康先生
西村則康先生