大地震が起きると、背の高い家具に加えて、テレビ台など背の低いものも激しく動き、凶器となります(国立研究開発法人 防災科学技術研究所が公開しているYouTube映像より)
大地震が起きると、背の高い家具に加えて、テレビ台など背の低いものも激しく動き、凶器となります(国立研究開発法人 防災科学技術研究所が公開しているYouTube映像より)

「もし災害が起きたら特集」第4回は、家の中の防災対策についてです。大地震に対する防災対策として、真っ先に浮かぶのが水や非常食の備蓄、防災袋やヘルメット、懐中電灯、ラジオ、携帯トイレなどの自宅での対策や防災グッズです。ですが忙しさにかまけて、あるいは置く場所が無くて上記のグッズをそろえていない、という共働き家庭も多いのではないでしょうか。

 ですが、これらのグッズをそろえることだけに満足するのも、実は間違いです。肝心なのは、家そのものの安全性を高め、地震に強い家をつくることです。

「仕事で家を空けることが多い共働き家庭は『子どもと離れているときに地震が起きたらどうしよう』『困ったときに助けてあげられない』と不安を抱えているでしょう。私はこの不安を解消するために、『家にいてくれれば大丈夫』とわが子に言えるような、災害に強い家を築きました」

危機管理アドバイザーの国崎信江さん。著書は『決定版 巨大地震から子どもを守る50の方法』(ブロンズ新社)など
危機管理アドバイザーの国崎信江さん。著書は『決定版 巨大地震から子どもを守る50の方法』(ブロンズ新社)など

 こう話すのは、危機管理アドバイザーであり、小学生のお子さんがいるワーキングマザーの国崎信江さんです。国崎さんは家族を守るために、津波の危険性が無く、住宅が密集していない場所で、土砂災害の無い地盤の強い土地を探し、震度7の大地震が起きても耐えられる耐震性の高い家を一からつくりました。

 こうした「災害に強い家」に限らず、今住んでいる家を地震に強く、わが子にとってより安心な家にすることは何よりも重要。「共働きで忙しいから」と後回しにするわけにはいかない、親としての責任です。その理由をこれから説明します。