無理に活動内容を絞らなくてもいい

 グループでの活動には、共通の目的が必要です。定年退職した男性達は、第一に「定年退職後の虚無感の解消」を目的に集まっています。共感を得やすく自分達にとって切実な問題ですから、参加者を増やすことが容易ですし、グループとしてのまとまりもできやすいと言えるしょう。

 一方、まだ現役で働くパパ達の場合は、「職場以外での友達作り」、「子育てに関する情報交換」、あるいは、「家族ぐるみの交流」など様々な目的がありそうです。無理に活動の内容を絞る必要はありません。グループで活動をしていく上で重要なのは、柔軟な組織運営だからです。はじめに決まり事を作ってしまうと、活動が窮屈なものになってしまいます。

 私が調査した地域の定年退職者のグループは、主に2つのルールで運営されていました。

■グループの定員は40人まで
 あまり人数が多くなってしまうと、運営が大変になるだけではなく、メンバー同士が打ち解けるのも難しくなります。この地域では、すでに活動をしているグループが世話人になって、新しいグループ作りの支援をしていました。ですから、既存のグループに入れない場合でも、地域活動に参加することはできます。

■役職は1年ごとに交代で、持ち回り制
 同じ人ばかりが役職に就くことの一番の問題は、負担の偏りです。リーダーや会計、あるいは連絡係などの面倒な仕事は誰でも避けたいものです。それでもグループ活動を維持していくためには必要なのですから、平等に分担する必要があります。

 これ以外の点に関しては、その都度、話し合いをして決めていくというスタイルを取っていました。初めからギチギチにルールを増やしてグループを縛るのではなく、柔軟な組織運営によって、自分達に合った活動を作りあげていくことができます。これは良好な夫婦関係や親子関係にも当てはまるのではないでしょうか。