著者は、テレビ局でTVディレクターとして勤務しつつ、会社員の夫と娘の3人家族で共働き生活をしていた。そこに突然降り掛かった「夫の海外赴任」。悩んだ末、2013年、家族でタイに引っ越すことを選択した。海外で生活する共働き世帯ならではの立場から、考えたこと、挑戦したことをつづる――。最終回の今回のテーマは、海外のインターナショナルスクールで学んだこと。

日本の学校とインターナショナルスクール、それぞれのメリット

 世界各国でインターナショナルスクールに通う子ども達は、だいたい5~9月の間に2カ月ほどの夏休みがある。そのため、この期間に日本に一時帰国して、日本の公立小学校に子ども達を通わせる家族は多い。わが家もその一つ。今年の夏休みも1カ月以上を東京で過ごし、娘はその間、公立小学校に通学した。

 日本の公立小学校というと、とかくマイナス要素ばかりを指摘されがちだが、海外の学校とは違う良いところがたくさんある。

 子ども達だけで、安全に気を付けながら10分ほど歩いて通学するというのも、とても良い経験になった。「帰り道に公園があっても寄り道はダメ。家にランドセルを置いてから集合ね」と話す同級生達は、とてもしっかりしている。そして、ランドセルを置いてから誰かの家で遊ぶ場合は、宿題を持ってきて、最初に宿題を終わらせてから遊ぶというのが当たり前だというから驚いた。

 給食当番、掃除当番、生き物係など、自分達の身の回りのことに分担して取り組むからだろうか。外部の清掃スタッフがいるインターナショナルスクールよりも「綺麗に大切に使おう」という感覚が自然に芽生えると感じる。

 一方で、インターナショナルスクールに転校してから、これは日本の公立学校では教わらないことだろうな、と思うことも多々ある。この夏、教育系のイベントに登壇者として参加した際、「インターナショナルスクールの教育に興味を持つ働くママが多い」と改めて感じたので、私自身が感じたことをここに書き残しておきたい。