2015年7月10日、東京・文京区立青柳小学校にて、乙武洋匡さんが読み聞かせ特別授業を行いました。授業に参加したのは、同校の1年生と2年生。読み聞かせに使った本は、乙武さんが翻訳した『One ワン』と『Zero ゼロ』(ともに講談社)。著者はキャサリン・オートシで、『One ワン』はアメリカで15の絵本賞を受賞しました。『One ワン』のテーマは「いじめ」、『Zero ゼロ』のテーマは「多様性」と、DUALの読者にとっても避けて通れない問題を扱った作品です。この記事では、当日2年生を対象に行った読み聞かせ授業の様子をリポートします。「いじめ」と「多様性」という、身近だけれど難しいテーマに、2年生達はどんな反応を見せたのでしょうか。

最初の言葉は、「僕を見て、びっくりした人はいる?」

 読み聞かせ授業を行った場所は、文京区立青柳小学校のPC教室。児童達は、教室に入るとクラス別に分かれて座りました。その後、乙武さんが教室に入ってきました。

 児童達は、乙武さんの姿を見て、驚きながらも好奇心が隠せない様子。そこで乙武さんは、こんなふうに話し始めました。

 「こんにちは。まずは自己紹介をさせてください。僕は、乙武洋匡といいます。この中で、僕を見てびっくりした人はいる?」

読み聞かせの前に、児童達とコミュニケーションする乙武さん
読み聞かせの前に、児童達とコミュニケーションする乙武さん

 児童達は、次々と手を挙げます。それを見た乙武さんは、手を挙げた児童に向かって「どんなところにびっくりしたのか、教えてくれる?」と尋ねました。すると児童は、「車椅子に乗っていたから」「手がないのに運転していたから」と次々に答えていきます。

 そこで乙武さんは、児童達が興味を持った車椅子のこと、自分の体のことについて話し始めました。

 「さっきみんなは、この部屋に僕が入ってきてびっくりしたよって言ってくれたんだけど、実は僕のお父さんとお母さんも、生まれたばかりの僕を見てびっくりしたそうです」

 児童達は、「ええ~!」「生まれたときから?」と声を上げました。事故や病気で手足を失ったと思っていた児童が多かったようです。

 「そうなんです。病気や事故で途中からこういう体になっていたのではなくて、お母さんから生まれてきたときに、既にこの体だったんだよ。どうしてこうなったのかは、お父さんにも、お母さんにも、お医者さんにも分からないんだって。でも、この体でも、いろんなことができるんだよ。階段を上ったり、走ったり、ボール遊びをしたりすることもできるんです」

 乙武さんは、そう説明しながら、児童達の前を歩いたり走ったりしてみせます。児童達は、そんな乙武さんを見て、大喜び。好奇心は、すっかり満たされたようです。

次ページから読める内容

  • 「もし自分だったらどうするか、本を読んだ後に考えてみてね」
  • 『One ワン』の主人公は、周りで「いじめ」を見ている4つの色
  • 声を上げた人に賛同する勇気があれば、世の中は変わる
  • 一人で声を上げるのではなくチーム力で解決する方法も

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