宮城県石巻市の大川小学校では、東日本大震災の際、74人の児童と10人の教職員が津波に襲われて亡くなったり行方不明となりました(ロイター/アフロ)
宮城県石巻市の大川小学校では、東日本大震災の際、74人の児童と10人の教職員が津波に襲われて亡くなったり行方不明となりました(ロイター/アフロ)

「もし災害が起きたら」特集の第1回記事「大地震になれば、共働き親はわが子と3日会えない」でも解説しましたが、首都直下地震が起こったら共働き家庭では、働きに出ているママもパパも、わが子と数日間離ればなれになる可能性が高くなります

「もし小学校や保育園にいる時間帯に大地震が起こったら?」「登下校時だったら?」「学童保育にいる間だったら?」「習い事に行く途中だったら?」――。私たち親は、自分の子どもを直接守れない場合でも、災害時に子どもが助かる可能性を高めるために安全をどう確保していくか、具体的に準備しておく必要があります。

「小学校や保育園を過信してはいけない」

 親と離れている時間のうち、子どもたちが一番長く過ごす場所は小学校や保育園です。私たちは「学校が子どもを守ってくれるはず」「先生がいるから大丈夫」と知らず知らずのうちに思っていないでしょうか

 ですが、防災・危機管理ジャーナリストである渡辺実さんは、「学校の先生は、非常時にも子どもを必ず守ってくれる『スーパーマン』ではありません。『学校を信じてます』『防災訓練をしているから大丈夫』なんていう甘い考えは捨ててください」と警鐘を鳴らします。学校によって、防災への取り組みが著しく異なることをよく知っているからです。

「東日本大震災では、教職員が付いていながら多くの児童が亡くなった大川小学校の悲劇がありました。この悲劇を特別な例でしかたがなかったこと、と片付けてはいけません。大川小学校で起きたことが、あなたのお子さんの学校でも起きるかもしれないのですから」(渡辺さん)