「女性の活躍推進法」なんていうものも制定されましたね。それが「女性が女性である部分を捨ててがんばれ法」ではなく、「女性が女性であることを大切にしても活躍できるぞがんばれ法」であってほしいと願うばかり。まあ、法律だけではなんともし難いことではあるけれど、「サイン、コサイン、タンジェントなんて女に教えるのは意味が無い」と知事が豪語なさる鹿児島県では、女性の活躍=女性を酷使と直結する気がしてしまいます。

 ……と、冒頭から「怒り」をあらわにしてしまいましたが、今回私がお話ししたいのは「保育園が迷惑施設になっている問題」です。

「保育園が迷惑施設」だと声を上げ始めた高齢者達

 多分、昔っから保育園だの幼稚園だの小学校だのは、迷惑施設だったんだと思います。もちろん公園も。
 不特定多数の、想定外の、騒音が常時聞こえる。これはもう、迷惑なんでしょう。

 だけど、みんなそうは思っていても、言わなかった。ゴミ処理場や、火葬場のような、“迷惑施設”と、保育園や小学校のような、“迷惑施設”は、明らかに別の扱いをされていて、後者の迷惑施設については比較的諦めている人も多かったと思う。

 でも、高齢者達は声を上げ始めた。うるさいのは、嫌だ、と。これはもう致し方ないのかなと思います。多数決民主主義の下で日本では、高齢者が圧倒的に有利。高齢者に最適化されるのはしかたないのです。

 そうは言っても「皆さんの年金は、子どもを預けて働いている人からも支えられているんですよ」――これはわかっていただけるんじゃないでしょうか?

 そして、「今、ぎゃーぎゃー騒いでいる子どもは、あなたの最晩年の年金を支えるんですよ」ということ。

 例えば、70歳女性の平均余命は、2012年でなんと19.45年。つまり、今3歳の子どもが70歳女性の最晩年には立派に何らかの形で納税者になって、最後の年金の支え手になっているわけです。まじで。

 理屈ではわかっていただけても、それでもやっぱり、うるさいものは、うるさい。当然、年金はもらう。本当にどうしたらいいんでしょう?

地域でも会社でも「迷惑」とされてしまうワーママ達

 結局、ワーキングマザーは迷惑施設の原因のモトなんでしょうか。そう考えると、正直なところ、泣きたいです。未来の納税者を産み育て、現在も納税者である、ダブルでおいしい存在であるのに、地域でも会社でも、迷惑と考えられてしまう。