「しつけ」というと、皆さんどんなことを想像しますか? 食事、挨拶、お片付け、言葉遣い・・・様々なことを教えなければならないと思っている方も多いと思いますが、私は「親の反応の仕方」こそしつけの大切なポイントであり、人格形成の基礎だと思っています。
パパやママがどんなとき、どんなことに大きく反応するのか。親の反応の仕方で子ども達は感情を学習していきます。
以前、相談を受けたママは悩んでいました。キャリアウーマンのその方は、新しい部署に移ったばかりで新規事業にも取り組んでおり、今まで以上に忙しい日々を過ごしていました。
大事な仕事の日に限って熱を出す子どもの心理とは?
そして私の元に来られて、「子どもがまた熱を出しました。大事なプレゼンの日に限って熱を出すので困っています」と悩みを打ち明けてくれました。そして、こう続けました。
「子どもが熱を出すのは、我慢をさせていることが原因でしょうか。それならば申し訳ないと思うし、自分ってダメな母親だなと思うと落ち込んでしまいます」と。
親の生活が不安定なときや、精神的に落ち着いていないときは、確かに、子どもにも影響を与えることがあります。保育士などは、こういったことを理解したうえで子どもの様子や変化を日々見守っているのですが、パパやママにとっては、「急にどうして?」と驚かれることもあると思います。
子どもは様々な反応を示し、サインを出します。急に熱を出す、チックが出る、やたらと泣いて保育園に行きたがらない、急に食が細くなる、おねしょをする…などなど。これらは、「子ども自身が精いっぱい、何かを受け止めている姿」なんですね。
例えば、大人には概念があるので、悩んでいる人がいたら、「話を聞いてあげる」、困っている人がいたら「助けてあげる」という相手に合わせた行動ができますが、子どもには概念がありませんし、方法も分かりません。だから、その行動が親から見れば困った行動でも、親が不安定なことを察してもどうしてあげたらよいのかわからず、受け止めた心持ちをサインとして出しているにすぎないのです。この姿はまさにけなげそのもの。
こんなふうに言うと、「子どもにつらい思いをさせてしまった私はダメな親だ」「自分が精神的に不安定だから子どもに熱を出させてしまった」と、特にママは自分を責めてしまいがちです。
次ページから読める内容
- あなたは「ダメな親」ではありません
- しつけとして伝えたいときは過剰反応は避ける
- 子どもにとってつらいことは無視されること
- 子どもは疲れているパパもいっぱいいっぱいのママも大好き
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