企業の管理職研修での活用も進んでいる、書籍『崖っぷちで差がつく 上司のイクボス式チーム戦略』。自分も部下も社会も育てるイクボスを目指すための実践的ノウハウがたっぷり詰まったこの1冊をテキストに、ワークショップ型のイベントが開催された。

 ハイブリッド型書店「honto」が主催するセミナーシリーズ「~honto で学ぶ~」の第3回として開催された今回のイベント。7月17日金曜の19時より、東京・市ヶ谷にあるコミュニケーションプラザ「hontoカフェ」にて実施された。

 セミナーのタイトルは「安藤哲也さんとこれからの『新しい働き方』を考えよう! ボクらが『イクボス』になったら明日の職場はどう変わるか?」。組織で成果を出す仕事と、個人の人生を楽しむ私生活と、どちらも充実させるために、今どんな“職場改革”が求められているのか。当事者目線で議論するワークショップ型のイベントだ。

 イクボスの伝道師“安藤塾長”の指導の下、組織の枠を超えて自由に意見交換し、悩みを解決するヒントを探せる貴重な機会に、育休復帰から間もない20代の女性から40代後半の管理職まで、幅広い年齢層の約30名(※正確には29名)が会場に詰めかけた。

 冒頭の20分は安藤さんによる「イクボスとは?」をおさらいする講義。「イクボスが育てるのは皆にとって働きやすい環境であり、誰もが人生を楽しめる社会そのもの。最近は、『家族同然のペットのために看護休暇が欲しい』というニーズもある。自分にとっての常識を押し付けずに、一人ひとりが幸せな働き方を実現できる環境を整えるのがイクボスの役割。結果、チーム力は上がって業績もついてくるんです」といった話に、熱心に聞き入る姿が多く見られた。

メンバーとして、リーダーとして、組織としてできることは?

 講義の後は、いよいよ6つのグループに分かれての議論へ。参加者全員が事前に提出した「職場で解決したい課題」がリストアップされた資料を基に、「長時間労働を解消したい」「限られた人数のチームで、欠員が出たときの対処法は?」などグループごとにテーマを決め、「現場のメンバーができること」「リーダーができること」「組織として取り組むべきこと」の3つの視点で解決策を導き出していく。

 各グループの参加者同士は初対面だが、自己紹介もそこそこに本題へ入り、ディスカッションが盛り上がる。所属する組織が違うからこそ話せる本音もあるようだ。参加者のうち半数以上は男性で、「育休取得中(取得経験あり)」という男性もちらほら。